明けぬ空に、君を想う



「へえ。」


喪月は笑う。


「前より早くなったなあ。威力も少し上がったか?」


呑気に問う喪月に、陽真は構わず色んな技を試す。

落ちてきた雷のような技、稲妻がうねりながら真っ直ぐにいく技、刀の延長線上に光のような電気の技。

山吹色、白色、青色、紫色、色んな色に見える。

だけど、喪月はほとんど交わしたり、効かなかったりするのだ。
それどころか、攻撃の威力をどんどん上げていく。

ここまで感じる霊気、矢や波だけでなく、陽真の雷のような技や物理的に何かを壊したり吹き飛ばしたりする攻撃。
陽真は押されている。

その時、陽真の威力をさっきよりも上げた霊雷を含む刀が当たった。

一瞬だけ、喪月は顔を歪めた。

そして次の瞬間、いきなり黒い霧を出したのだ。


「、、、っ」


陽真に当たった。
顔を歪めながらも、必死に刀を振る。


ーー陽真、、、私、何もできない、、、

そう思っていた時、喪月がこちらを見た。
そして不気味に笑った。


「、、、まさか!」


予想は的中した。
落ちた瓦礫達が、浮き上がったのだ。


「な、、、!」


陽真の驚く声が聞こえた。
瓦礫はこちらに向かっている。


「左右に分かれて!」


必死に叫ぶ。

狙っている位置から離れれば当たらないと思った。
だけどーー


「待って、あ、足がすくんで、、、」


若い女の人の声がした。
十歩ほど後ろにいた。


ーー軽傷だから、あまり意識していなかった、、、!

隣にいる同じくらいの年頃の女の人が引っ張っても動かない。
私は咄嗟に走り出した。
瓦礫の一つが向かっている。

だけど動かす力はない。
二人を囲うように庇った。


「っ、、、」


背中の上から首の下あたりに痛みが走る。


「あ、あなた、、、!」

「ごめんなさい!私が、、、」


二人が焦って言った。

私は、精一杯笑って見せた。

あまり大きな瓦礫ではなかったので、それだけで済んだ。

そう思って二人から離れ振り向いた時、目を見張った。
黒い弾丸のようなものがいくつも向かってくる。

体がうまく動かず、また立ち尽くしてしまった。
反射的に、目を閉じてしまった。