明けぬ空に、君を想う


空の色が強くなる。

紅葉は色づき、いつの間にか落ちた。
冷え冷えとするようになり、雪が降った。

小寒から大寒になり、初春が過ぎてもまだ寒さは強くなる。

私はその季節の流れを、身で感じていた。


「今日も、寒いな、、、」


空気の冷たさが、体を包み込む。

朝方、窓を見ると、積もった雪が溶けていた。
最近晴れが続いたからだ。

東都は北都に比べると、暖かい地域だ。
冬も常に雪が降っているわけではない。

それでも窓から見える木々が凍りついているのが分かる。
まだ春は遠いと感じながら支度をする。


「小夜様。いってらっしゃいませ。」

「お気をつけて。」


使用人の文子さんとハルさんが言ってくれた。


「行ってきます。」


私が笑顔で言うようになったからか、笑顔送り出してくれることが多くなった。

ただ、家族からは相変わらずの扱いだった。

気にしないようには努めてるけど。

裏玄関に向かっていると、兄が歩いてきた。
なんと声をかけるか迷っていると、兄から言ってきた。


「挨拶なし?」

「あ、、、申し訳ございません。」

「まあ良いよ。それより、、、」


私の横で、すれ違い際に声を下げて言った。


「余計なことはするなよ?」

「、、、はい。」


そう答えた。

緊張感でいっぱいだった体も、外に出ると解放された。

兄は知っている。
私が修行を続けたり、寄り道をして帰っていることも。

あの一件以来、また空亡が現れなくなった。

つまり、機会を探している。

間違いなく、私や陽真とあのままという訳にはいかないだろうし。

中位空亡は逃げ足の速さから、兄の目も欺いてしまった。

だから皆、これまでの中位空亡とも違う、と悩んでいる。


かじかんだ手を見た。
袴に羽織だけでは寒い空気の中、私は学校に向かった。