「ごめん、、、」
陽真が言った。
かなり元気がない。
何もできなかった自分が情けない。
「いや、陽真は謝らないでよ、、、」
私が言うと、陽真は考えてから声に出した。
「それでも、ここで終わりになんて出来ないよ。」
「え?」
「そばにいたい。俺は、、、」
言いかけていた。
でも、言い切らない。
私に気を使っている。
だけど、私だって思っていることがある。
「私だって、、、」
うまく声に出ない。
ーー好き、なのに、、、
心で呟いた。
結ばれないと分かっていても。
だけど、決して口にしてはいけなかった。
「この気持ちも、伝えられたら良かったのに、、、」
思わず呟いてしまった。
陽真と目が合った。
でも、それ以上どうしようかと迷っていた。
「だったらー。」
急に声が聞こえて、慌てて振り向く。
「え!?」
結真さんだった。
ニヤッとしてひと言。
「とりあえず、強くならないとじゃない?陽真は。」
「はい、、、」
陽真は返事をする。
結真さんは私を見た。
「あと、小夜さん。」
「はい?」
「異能、使えるように頑張って。」
「え、、、?」
「ちょ、それは、、、」
陽真は止めてくれたけど、私はかなり迷っていた。
何度試しても無理だった異能。
ーー今から頑張ったって、、、
でも、元は異能を使えていたら家族も認めてくれるかもしれない。
家の価値を下げず、説得力が出来たら、陽真とのことだって、、、
「、、、頑張ります。」
私がそう言うと、陽真は驚いた顔をした。
結真さんは頷く。
「いい決意だ。じゃあ、また。」
全力ダッシュであっという間に気配が消えた。
「小夜、、、」
「大丈夫。きっと使えるようになってみせるから。」
そう返すと、陽真は感がてから言った。
「、、、ごめん。」
「陽真が謝ることじゃ、、、」
そう言ったけど、首を振る。
「俺、何にも守れなかった、、、」
その言葉が、痛いほど苦しかった。
陽真は続ける。
「小夜のこと守りたかった、、、でも、俺が弱いから、、、」
「そんなことないよ。たくさん守ってくれたよ?陽真は。」
「ごめん、、、」
それしか、陽真は言わなかった。
暗い空に、雨が降る。
その日は重たい気持ちで家に帰った。
その次の日、そしてそのまた次の日、陽真は喫茶店に来なかった。

