街中を抜けてて人けのない道へ来た時、辺りを見回す。
誰もいないことを確認してから、全力ダッシュをした。
ーー遅刻する、、、!
少し登って、また真っ直、そして曲がり、またしばらく真っ直ぐ歩く。
ようやく女学校に着いた。
決して近くはないけど、通えなくもない距離だからと送迎は一切なし。
袴じゃなく着物だったら、こうは簡単に走れないので助かっている。
ただ、一応名家として学歴が必要だったため通うことも許されている。
あまりいい縁談がないため、時間稼ぎにも思える。
教室に入ると、他は皆席についていた。
気まずさを覚えながら入る。
「おはようございます。」
「おはようございます。」
何とか間に合って安心しつつ、挨拶をしあい席に向かう。
「おはようございます。水無瀬さん。」
隣の席の常盤さん。
上品な笑顔が印象的。
学校では一緒にいることが多い。
「おはようございます。常盤さん。」
女学校は礼儀と教養についてかなり叩き込まれる。
特に、うちの女学校は厳しいと有名だった。
友達同士でも丁寧に振る舞わなければいけない。
「今日はギリギリでしたわね。」
「ええ、ぼーっと景色を見てしまって、、、」
「水無瀬さんらしくてね。」
そんな事を話し、授業やら何やらで忙しく過ごす。
勉強に関して優秀というわけではなく、裁縫や礼儀もあまり得意ではなかった。
元々、令嬢としての役割をしなかったところからか、庶民の方が性に合っていると思ってしまう。
お昼は、席が近い同士常盤さん、朝比奈さん、綾小路さんと食べている。
「お父様から聞いたのです。水無瀬家は、ここ最近で更に
評価されているそうですわね。」
「とても羨ましいことですわ。」
綾小路さんと朝比奈さんが言ってきた。
確かにそうなんだろうけど、私はよく知らない。
「いえいえ、、、」
「お二人とも。」
常盤さんが言った。
私には、あまり関係のないことだと言ってくれたんだと思う。
二人はあっとした顔をする。
「申し訳ありません。」
「つい口走ってしまいましたわ。」
「お気になさらず、、、」
私の一族での扱い方を知っている人も、近い人なら割といる。
けどあまり知らない人が、入学時は多かった。
そうゆう時は、決まってコネを作ろうと集まってくる人もいる。
それは無駄だと知った人たちは、今は普通のクラスメートとして接している。
学校も終わり、今日も一人で帰る。
「さようなら。水無瀬さん。」
「さようなら。」
常盤さんも朝比奈さんも綾小路さんも令嬢だ。
名家の人は送迎がつき、そうじゃない人も誰かと帰る。
私には、そこまで親しい友人はいない。
来た道をゆっくりと歩く。
歩きながら考え事をする。

