陽真は、素早く刀を取り出した。
相手を睨め付けるような目。
だけど、その指先はわずかに震えている。
「陽真、、、」
「下がってて。」
「、、、うん。」
短い言葉。
私は頷くことしかできなかった。
真っ直ぐと中位空亡を見た。
中位空亡が口を開く。
「一条の末だろう。そちらは、水無瀬。」
「ど、どうしてそれを、、、?」
笑みを溢すような顔、上からの声。
「はは。俺は喪月、中位空亡の一人。この辺りのことは何でも知っている。」
そんな声を聞くだけで、汗が出てくる。
初めて目の当たりにした中位空亡の圧が、想像以上だった。
次の瞬間だった。
バチ!という陽真の霊雷が溜め込まれた音がした。
陽真は踏み込む。
雷を纏った一閃。
だけど、空間がズレたように見える。
ーー届かない、、、
刀の軌道に、黒い霊気が滑り込む。
まるで避けたのではなく、そこに存在していなかったかのように。
「なっーー」
続けざまに、黒い矢が生まれる。
数が多い。
陽真は弾く。
けど、数が多すぎる。
押されている。
その時だった。
「な、何だあれは!」
振り返ると、人が集まっていた。
「あれは!」
「く、空亡なの、、、?」
「中位空亡だ!」
ーーまずい。
「こ、ここは危険です!下がってください!」
叫びながら誘導する。
「何が起きてるんだ嬢ちゃん!?」
「と、とにかく裏道へ!」
その瞬間。
ドオン!
ギィー!
建物が崩れ、逃げ道が塞がれた。
息が止まる。
喪月は、こちらを見ていない。
ただ“ついでのように“壊した。
「、、、っ」
格が違う。
次の攻撃が、人に向かう。
「危ない!」
陽真が飛び込む。
刀が閃き、黒を裂いた。
間一髪。
だけど、その表情は歪んでいた。
「クソ、、、」
陽真は、ここにいる人たちを守りながら戦わなくてはいけなかった。

