明けぬ空に、君を想う



「今日は、曇ってるね。」

「そうだね。雨が、降りそうだ。」


私と陽真は、学校帰りに合流していた。

私たちは空亡とよく遭遇しているけど、その中でもおかしくなっている世界。

目にしてしまった現実。

秋の澄んだ空気すら息苦しい。

そんな気持ちで過ごしていた。


「ねえ、小夜。」

「どうしたの?陽真。」


陽真は何かを言いかけ、飲み込んだ。


「、、、いや、何でもない。」


以前のような明るさではなく、無理に作ったような笑顔が苦しかった。

その時、風が吹いた。
秋らしい、涼しい風だった。

だけど、それだけじゃなかった。
それを、思わず口にした。


「何、、、この、気配、、、」


陽真を見ると、明らかに、焦ったような顔をしていた。
そして、突然声を出した。


「、、、小夜!」


叫んだ陽真が、私の前に来る。

手から霊気を出した。
空気を裂くような電気で、何かを弾き返していた。

その方向を見るとーー


「あれは、、、」


黒い霊気の内側に、人の輪郭が立っていた。

生者のようで、生者ではない。
笑っているようにも見える口元だけが、異様に静かだった。


「まさか、こんな場所で遭遇するなんて、、、」


陽真は、驚きだけじゃない、かなりの恐怖を表情にしていた。
私だってそうだった。
下位空亡とは全く比べ物にならない殺気。


「は、陽真、、、あれってやっぱり、、、」

「、、、中位空亡だ。」

「そんな、、、」


中位空亡は、こちらに向けていった。


「、、、ようやく逢えたな。」