陽真と歩く道。
足取りが重かった。
陽真の方から、口を開いた。
「あれは、、、今回の攻撃で、あの人。花江さん、、、知り合いを数人忘れてしまった。」
「、、、うん。あの人は、幼馴染だったみたい。一緒に遊んでいた記憶が、曖昧だなんて、、、」
「最近の記憶があるのは、攻撃がかすっただけだからなんだと思う。感情も、態度も問題なかったのに、それだけが、、、。」
今までで見た中、一番悩んだような顔をする陽真。
私だってそうだ。
「今まで、、、見た事なかったから、、、」
私がそう言うと、陽真は目を逸らす。
そして呟いた。
「そっか、、、」
その手に、力が入ったのが分かった。
空亡。
その異次元な力は、物理的物だけではない。
本当の目的、それが心を喰らうと言われる理由だった。
十分に理解しているつもりだった。
だけど、イメージすら甘かった。
今までは、その攻撃の前に救われることが多かったから。
最近では陽真、昔なら軍隊や他の異能者が何とかしていた。
だから間近で見た事がなかった。
ーー人の心が奪われる瞬間を、、、
「私には、やっぱり、、、」
「小夜。」
私は、自分の異能を使おうとした。
だけど、今までできなかった事が急にできることなんてなかった。
「それは、俺も同じだよ。守れなきゃ、意味ないのに。こんな力、、、」
陽真は、悔しそうな、悲しい顔だった。
そして消えなかった。
あの人の顔。
『もう、思い出せないのか、、、あー、どうしたらいいんだろうな、、、』
ーーごめんなさい、、、
何も出来なくて。
何も言えなくて。
いつしか感じた胸騒ぎは、的中してしまった。
そして、これは始まりにすぎなかった。

