明けぬ空に、君を想う


秋も隣となってきた日。

私は陽真と喫茶店近くの道を歩いていた。


「学校、始まったね。あっという間だ。」


陽真の言葉に私も返す。


「そうだね。でも、案外来やすくなるんだけどね。」

「それもそっか。」


そんな会話をしていた時だった。

遠くから叫び声が聞こえた。


「しっかりしろ、どうしたんだ!?」

「おい!あれを見ろ!」


ドオン!


大きな音が聞こえた。
私と陽真は同時に辺りを見渡す。

その時、私の目に映ったものは恐ろしかった。


「は、陽真!」

「あれは、、、」


家が何軒か崩れていく。
そして、また悲鳴が聞こえた。


「キャアー!」

「で、出たぞ!」

「空亡だ!逃げろ、、、」

「おい!そっちは危ない!」


人々の声、いつもより逃げ道を塞がれていたせいか、人が多い。


「小夜。」

「うん。」


二人で見に走った。


「ここ、登るよ。」


そう言って素早く登り、手を伸ばしてくれた。


「ありがとう。」


降りた先、私たちは、息を呑んだ。

空亡が闇のような殺気を放っていた。
壊れた建物の一部分に、下敷きになっている人がいた。


「小夜、周りの人を上手く誘導できる?」

「うん、できると思う。」

「じゃあ頼んだ。俺は、こいつを倒す。」


陽真の表情が変わる。


「気をつけてね。」

「うん。」


陽真は呼吸を整えてから、刀を持つ。
バチバチとする雷のような霊気で飛びかかる。


「こちらから向こう道に出れます!」 

「あ、ああ、ありがとう。」


私は何とか人を遠ざける。
建物の崩壊も止まったわけじゃないみたいだったから尚更。

年配のおばあさん達を先にいかせ、私や他の人たちは下敷きになった人を助ける。


「ありがとうございます、、、」

「早くこっちへ。」

「手を貸す。」

「あんたもこっちへ。」

「ありがとう。」


そう言って手を貸し合っている人たち。

そしてほとんどの人がいなくなったと思った時。


「くっ、、、」


陽真は霊雷の攻撃を、ある攻撃で上手く当てられないみたいだった。


ーーあれは、、、


心配で見ていると、後ろから声がかかった。


「待ってくれ。」

「え?」


声がした方を振り向くと、一人のが座り込んでいるのを、一人の人が心配していた。
隣にいる男性と、同じくらいの歳の女性だった。
女性は目をギュッと閉じて苦しそうな顔をいている。


「どうしましたか!?」

「あいつの攻撃に当たったみたいなんだ!かすっただけなんだが、、、」

「え、、、」


バチバチ、バーン!
と言う音と共に、陽真が無事倒したのが見えた。


「大丈夫?」

「陽真、、、この人が、、、」

「まさか!あの攻撃が、、、」


その時、女性の人がゆっくり目を開けた。


「あら、、、私、、、」

「ああ良かった、大丈夫か?」

「すみません。見ず知らずの私のために、近くにいてくれたんですか?」


何も言えない私たちの代わりに、会話をしてくれている。
見たところ、何もなさそう。

だけど、その気持ちがズレるのを感じたのは次の会話。

女性にの近くにいた男性が言った。
驚いた表情で。


「いや、俺はお前の、、、」

「、、、え?何かの間違いなのでは?」

「まさか、お前、、、」


男性は、苦しい表情をした。
一人握りしめた手に、力が入る。


「クソ、、、」


私は、声が上手くでなかった。
陽真が、私に言った。


「小夜、、、間違いない、空亡の力だ、、、」

「そ、そんな、、、」


しばらく、私たちは固まっていた。