「うわー!」
「空亡だ!」
慌てて声の聞こえた方を見ると、建物が音を立てて崩れた。
陽真を見た。
「陽真、、、」
「小夜。大丈夫、お守りがあればそう簡単には気づかれない。ここで待ってて、、、いや、俺と来て。その方が安全かもしれない。」
「うん。」
走って見にいくと、下位空亡が一体。
その目線の先にいるのが、傾いた建物の一部に隠れている中年くらいの男の人が二人いた。
状況から見るに、逃げ場を無くさせようとした攻撃だった。
ーーでも、本命の攻撃はまだされてない、、、
その時、私たちに気づいた空亡が、黒い霊気を矢のように飛ばしてきた。
つかさず陽真が私の手を引いて避けさせる。
一瞬だけ、空亡がこちらを見た気がした。
私と、陽真のことだけを視界に入れるように。
その様子に、息すら止まりそうになった。
「小夜。下がって。」
「うん。」
陽真は空亡をじっと見る。
さっきまでの笑顔が嘘のように。
「本当に異質だ、、、」
呟いたのが聞こえた。
そして、瞬発力を使って飛びかかった。
いつの間にか、刀の用意までできていた。
バチッと雷のようなものを感じる。
空亡の黒い線が交わる攻撃を素早く交わし、そのまま一撃。
ーー眩しい、、、
気づけば、空亡の姿は消えていた。
黒い塵だけが、空中に溶けるように残っている。
「小夜!」
すぐに駆け寄ってくれた。
「陽真、、、」
二人で建物の二人を見ると、慌てて出てきた。
「助かりました。ありがとうございます。」
「ありがとうございます。本当に、ありがとうございます。」
ペコペコと陽真に頭を下げる。
陽真は笑顔で言う。
「いえ、怪我はありませんか?これ、傾いちゃいましたね、、、すみません、間に合わず。」
「そんなそんな!大丈夫ですよ!」
「これくらいなら、すぐに治せます。」
「そうですか、、、」
心配そうにしながらも、その場をさることにした。
その時、二人のうち一人が言う。
「あの、あなたひょっとして、一条様ですか?」
突然の声に、私たちは振り向く。
「霊雷の、一条様、、、」
「雷の異能を最も多く出してきた一族の、、、」
その言葉に戸惑いながらも、陽真は答える。
「えっ、、、ああ、はい。」
「やっぱり!」
「そうなんですか!?じゃあそちらのお嬢さんは一体、、、」
私は、冷や汗を感じた。
「あの、、、」
陽真が恐る恐る言う。
「はい、何ですか?」
「ここで俺たちに会ったこと、秘密にしてもらえますか?」
「ええ!」
「ど、どうして、、、?」
「お願いです。理由は聞かないでください。」
陽真の言葉に、二人とも渋々頷く。
私たちは早々にその場所を後にした。

