二人並んで歩く帰り道、陽真は言った。
「これ、あげるよ。」
そう言って渡してきたのは、一つのお守り。
「え、何これ?」
「異能の気配を、抑えるための物だよ。小夜はこれ持ってたほうが良いかなって。俺が小さい時から、一応って持たされてたんだ。」
そう言った時の陽真は、少し目線を逸らす姿が見えた。
「いいの?私がもらっちゃって、、、」
「良いよ。その方が安心できるから。」
本当に優しい笑顔で笑う。
「ありがとう、、、」
そして、陽真はまた新しい話題を出す。
「さっきの空亡、下位だよね。」
「え、うん、、、」
下位、と言うのは空亡の階級についてだ。
下位、中位、上位があって、上位は空亡を作り上げたトップだ。
「下位とは思えないほど、強かったよ。」
その言葉に、私は驚く。
ーーでも、、、
「確かに、速かったし、殺気も凄かった、、、」
「うん。久しぶりに現れたと思ったら、戦力を上げてるなんて、、、」
真剣そうに悩んだ顔だった。
「東都の中心地や帝都は、これ以上かもしれないね。小夜、これからはもっと気をつけないとだ。」
「うん。」
まだ学生だと言うのに、完全に倒す側にいる。
私とは、違って、、、
少し、下を向いてしまった時だった。
「小夜。」
陽真が声をかけてきた。
少し、距離が近く感じる。
私を心配してくれたのかもしれない。
優しくて、温かい声だった。
陽真はそれ以上言わなかった。
けれど。
その距離も、声も、温もりも。
確かにそこにあってーー
私は目を逸らせなかった。
ーーこんな出会いは、初めてだった。
そしてきっと。
この出会いが、私を変えていく。
そう、どこかで思っていた。

