君のほうがうまく笑う

「宮くん、いつも本読んでるね」

 内藤さんが、隣で僕にそう言った。

「ああ…うん、まぁ」

 すれ違う生徒たちに見られている気がして、僕は少し後ろを歩いた。
 彼女の腰まである髪が、左右に揺れる。

「どんな本?」

 居心地が悪い。

「……そういう事は、あまり聞かない方がいい」

「え、」

 立ち止まった内藤さんの隣を、僕はそのまま通り過ぎた。

 何か言いかけたような気配だけを、背後に感じた。


 ーーこういうところだと、自分でも思う。