電車を降り、改札へと向かう道すがら。
懲りずに僕の周囲を動き回り、頼む頼むと両手を合わせるそいつを無視して歩く。
「なんでだよ、お前。クラスメイトだろ?困っている人には手を差し伸べる。小学生でも知ってんぞ」
「キミは人じゃないだろ」
つい返事をしてしまう。
「え。死んだら人じゃねぇの?」
立ち止まったそいつに、僕はつい視線を向けた。
ーーさすがに、無神経だったか。
「…いや、」
言いかけて、ふと、周りの視線が僕を刺す。
図らずも、少しだけ歩きやすくなってしまった駅構内を早歩きで抜けた。
その間も、そいつは隣で「人じゃねぇの?人だよな?」と言っていた。

