終わった世界で脆弱邪神様と旅をしながら飯を食う


 ○/×
 
 世界が終わります。

 そんなふざけた宣言が下され、本当に終わってしまった世界で、何故か私は生きていた。
 たしかに死んだはず。それなのに、生きているのだ。いま、ここで。


 ⬛︎/○

 二人の人間が訪ねてきた。
 久しぶりの訪問者に、私は驚いた。
 性別が分からない二人だった。年はまだ17前後ぐらいだろうか。息子と歳が変わらないように見えた。

 一人は水色の髪に、目玉焼きの髪留めをした飄々とした若者。もう一人は、黒髪に赤目、片方に医療用の眼帯をした人形のような若者だった。
 隣の都市から来たらしい。向こうはもうダメなのだと言っていた。

 目玉焼きの若者は西野蛍と名乗った。ふわふわとして人当たりが良かったか、どことなく変わり者……もっというなら社会とはなんだか馴染めないような、そんな歪さが透けて見えた。
 
 眼帯の若者のことを、西野くんはルカ、と呼んでいた。そいつも変わり者だった。ほとんど口を聞かず、西野くんの言葉に反応すら返していなかった。
 だが、私が西野くんの鞄を手に取ろうとした時、そいつは物凄い力で私の腕を掴んできた。

 人間じゃない。アレは化け物だ。
 正真正銘の怪物だ。あいつは私を殺そうとした。

 西野くんが止めに入ってくれたお陰で、私は命拾いをしたのだ。アレは西野くんを傷つけるなら殺すと、私に話しかけてきた。

 西野くんが全て許す代わりに、情報が欲しいと言った。美味い飯が食える場所はないかと。

 私はすぐに中央駅の場所を話した。
 あの化け物と共に動いている西野くんが、気持ち悪かった。さっさとどこかに行って欲しかった。

 世界が終わったのは、まさか、あの化け物のせいではないだろうな?だとしたら、いや、だが、私には無理だ。
 アレを殺せるだけのすべを、私は持たない。
 化け物どもめ、中央駅の連中にでも殺されてしまえばいい。



 ⬛︎/××

 食料が底をつく。
 あいつが最後のチャンスだったのに。アレのせいで、アレが邪魔さえしなけりゃ。
 
 くそが、クソッタレ。