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世界が終わります。
そんなふざけた宣言が下され、本当に終わってしまった世界で、何故か私は生きていた。
たしかに死んだはず。それなのに、生きているのだ。いま、ここで。
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二人の人間が訪ねてきた。
久しぶりの訪問者に、私は驚いた。
性別が分からない二人だった。年はまだ17前後ぐらいだろうか。息子と歳が変わらないように見えた。
一人は水色の髪に、目玉焼きの髪留めをした飄々とした若者。もう一人は、黒髪に赤目、片方に医療用の眼帯をした人形のような若者だった。
隣の都市から来たらしい。向こうはもうダメなのだと言っていた。
目玉焼きの若者は西野蛍と名乗った。ふわふわとして人当たりが良かったか、どことなく変わり者……もっというなら社会とはなんだか馴染めないような、そんな歪さが透けて見えた。
眼帯の若者のことを、西野くんはルカ、と呼んでいた。そいつも変わり者だった。ほとんど口を聞かず、西野くんの言葉に反応すら返していなかった。
だが、私が西野くんの鞄を手に取ろうとした時、そいつは物凄い力で私の腕を掴んできた。
人間じゃない。アレは化け物だ。
正真正銘の怪物だ。あいつは私を殺そうとした。
西野くんが止めに入ってくれたお陰で、私は命拾いをしたのだ。アレは西野くんを傷つけるなら殺すと、私に話しかけてきた。
西野くんが全て許す代わりに、情報が欲しいと言った。美味い飯が食える場所はないかと。
私はすぐに中央駅の場所を話した。
あの化け物と共に動いている西野くんが、気持ち悪かった。さっさとどこかに行って欲しかった。
世界が終わったのは、まさか、あの化け物のせいではないだろうな?だとしたら、いや、だが、私には無理だ。
アレを殺せるだけのすべを、私は持たない。
化け物どもめ、中央駅の連中にでも殺されてしまえばいい。
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食料が底をつく。
あいつが最後のチャンスだったのに。アレのせいで、アレが邪魔さえしなけりゃ。
くそが、クソッタレ。


