事務所のビルを出る頃には、すっかり街は夜の闇に包まれていた。
冷たい冬の風が身体中の熱を奪ってゆく。
歩き出そうとして──息が詰まるほどの緊張と萎縮を繰り返し、疲れ切った身体がぐらりと傾く。
「……さすがに今日は、堪えたなぁ」
フラつく足元に慌てて壁に手をつけば、視界が滲み、嗚咽が漏れた。
さっきまであんなにも、泣きたい時に泣けなかったのに。
ゆっくりと、私の世界が沈んでいく。
東京の夜は、まるで最初からそのことを知っていたかのように、どこまでも他人事で。
こんな結末、望んでなかった。
突然訪れたラストシーンから逃げるように、私は人混みをすり抜けた。
冷たい冬の風が身体中の熱を奪ってゆく。
歩き出そうとして──息が詰まるほどの緊張と萎縮を繰り返し、疲れ切った身体がぐらりと傾く。
「……さすがに今日は、堪えたなぁ」
フラつく足元に慌てて壁に手をつけば、視界が滲み、嗚咽が漏れた。
さっきまであんなにも、泣きたい時に泣けなかったのに。
ゆっくりと、私の世界が沈んでいく。
東京の夜は、まるで最初からそのことを知っていたかのように、どこまでも他人事で。
こんな結末、望んでなかった。
突然訪れたラストシーンから逃げるように、私は人混みをすり抜けた。
