「なんか救われた。褒めてくれて、ありがと」
「うん」
それっきり、会話が止まる。
信号が青に変わり、私たちはどちらともなく歩き出す。
手を伸ばせば届きそうな距離に、夜風に晒され冷えたはずの身体がまた、火照っていく──手を繋ぐには遠くて、でも近すぎる距離に、心臓が音を立てて鳴る。
「あ! 今さ、流れ星っぽいの見えなかった?」
「一瞬すぎてわかんないよ。でも、今夜流星群ってニュースで見たかも」
沈黙を破ったのは、奏音だった。突然そんなことを言うから、私もつられて、星が無限に溢れてくる夜空を見上げる。でも、見つけるには都会の明かりがやっぱり眩しい。それに──。
「都会でも目を凝らすと見れるもんだなぁ」
「ねぇ、奏音。流れ星って、叶わなかった夢の残像みたいじゃない?」
「そうくる? 深いこというね。流れ星に願わないタイプかぁ」
「だって、ほんの一瞬だけ現れて消えてくから。星が燃え尽きて灰になる前の、最後の光」
私の言葉に、奏音が「碧空って現実主義者なのかロマンチストなのか、どっちなんだろ」と、ふわりと笑った。
「さっきの曲、まだ歌詞もできてないけど。なんかこの曲が、オレたちの運命を変える気がする……」
彼の言葉に、また心臓が跳ねる。
オレたち、の響きが、ふたりだけのことみたいに聞こえたから。あまりに罪深い言葉に「ねぇ、それはどういう意味なの」と、問いかけてしまいそうになる。
でも、それは奏音の覚悟のようにも聞こえたから──どこか遠くの星を見ているようで。
夜風に揺れた金色の髪の隙間から、 彼の瞳が、ほんの少しだけ揺れた気がした。
「うん」
それっきり、会話が止まる。
信号が青に変わり、私たちはどちらともなく歩き出す。
手を伸ばせば届きそうな距離に、夜風に晒され冷えたはずの身体がまた、火照っていく──手を繋ぐには遠くて、でも近すぎる距離に、心臓が音を立てて鳴る。
「あ! 今さ、流れ星っぽいの見えなかった?」
「一瞬すぎてわかんないよ。でも、今夜流星群ってニュースで見たかも」
沈黙を破ったのは、奏音だった。突然そんなことを言うから、私もつられて、星が無限に溢れてくる夜空を見上げる。でも、見つけるには都会の明かりがやっぱり眩しい。それに──。
「都会でも目を凝らすと見れるもんだなぁ」
「ねぇ、奏音。流れ星って、叶わなかった夢の残像みたいじゃない?」
「そうくる? 深いこというね。流れ星に願わないタイプかぁ」
「だって、ほんの一瞬だけ現れて消えてくから。星が燃え尽きて灰になる前の、最後の光」
私の言葉に、奏音が「碧空って現実主義者なのかロマンチストなのか、どっちなんだろ」と、ふわりと笑った。
「さっきの曲、まだ歌詞もできてないけど。なんかこの曲が、オレたちの運命を変える気がする……」
彼の言葉に、また心臓が跳ねる。
オレたち、の響きが、ふたりだけのことみたいに聞こえたから。あまりに罪深い言葉に「ねぇ、それはどういう意味なの」と、問いかけてしまいそうになる。
でも、それは奏音の覚悟のようにも聞こえたから──どこか遠くの星を見ているようで。
夜風に揺れた金色の髪の隙間から、 彼の瞳が、ほんの少しだけ揺れた気がした。
