はなのゆめ


 ねえ、桜。散らない花があると思う?

 たとえば人が花だったとしたら、私は一番日当たりの良い場所で咲き誇る満開の花だ。艶麗に絢爛にあるいは高慢に、花の盛りを謳歌している。これ以上花弁を開く余地はない。咲き続けるか、さもなければ散るか……。

 もしかしたなら、私が散ることを望んでいる莟もあるかもしれないね。意気揚々と袖を翻す私の陰になって、花を咲かせられずにいる莟が。

 彼らは私を疎んじているだろうか。私を恨んでいるだろうか。ともすれば、憎みすらしているだろうか。

 そんな彼らの目の前で、私が散ったら、いったいどうなるだろうね。