黄金列車のカンパネラ

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 19xx年7月27日、黄金列車の事故からだいだい二ヶ月、新聞は黄金列車を忘れ、七十五歳を迎える国王陛下を、一面使って称えていた。

 いつも観測台から出されている天気予報の欄を探すが、そんなものは元から無かったかのように、動物園にキリンの子供がやって来たことを長々と説明している。

「ったく、漁師ってものをわかってねえな...」

 独り言の後ろに、二組の足音とチャリ、という金属の音が聞こえた。

 新聞を道端のゴミ箱に投げ捨て、サンドウィッチ店の紙袋から銃を取り出す。

 金属がふれ合う音の方へ向かうと、やはり無駄な装飾の多い軍服の兵士が巡回をしていた。

 今すぐに攻撃、といきたいところだが、路地に隠れてときを待つ。

 時計台が九時を示すと同時に、海の方から漁船たちの力強い汽笛が、幾つにも重なって轟いた。

 何事だ、と混乱する兵士二人に銃を打ち込む。

 俺が目指すは、王宮を守る軍事基地。

 王都は革命の音で包まれていく。