真夜中、日野和哉は死んだ

留喜(るき)、助けて。校庭来て』

 中二の三学期の終業式の日。十二月末。夜ご飯のオムライスを作っていたら、親友の日生和哉から連絡が来た。

 あまりに異様な内容。驚きすぎて、手元にあった皿を落としてしまう。パリーンと音を立てて割れる。不吉な予感がする。

 ほうきとちりとりを使って急いで片付けて、瞬く間に家を出る。

 真っ白い雪が空から降っている。閉まっている学校の門に、足を曲げてよじ登る。無理に入って校庭に足を進める。


 和哉が倒れている。

 嘘。バラバラと心臓が砕ける音がする。本当に、そんな気がした。

 口には血を吐いた跡がついていて、首にしばられた跡がある。

「か、か、かず! おい和哉!!」

 白い息が、唾が和哉の顔にかかる。頬を触り、叩いてみる。目を開けてくれない。

 何で? 

「うっ、うっ、うあああぁぁぁぁ!」

 声が枯れそうな勢いで叫ぶ。嘘だ、死んでいる。

 お昼頃には一緒に学校を出たのに。ついさっき、連絡が来たのに。

 間に合わなかった。助けられなかった。絶対に助けないといけなかったのに。

 なにもかも、もう手遅れ。取り返しがつかない。親友だったのに、愛していたのに。

「殺す。殺してやる」

 和哉の服の袖を掴んで呟く。

 復讐してやる、絶対に。