空色の小鳥は、恋をしていた。

 パァン、と瞼の上で何かが弾けた気がした。
 奏楽は、ぼんやりと目を開いた。
 夢を見ていた気がするけど、思い出せない。
 ただ、起きた瞬間から胸がやけにザワザワしている。

「……優希?」

 ベッドのカーテンを開けるが、誰もいない。
 起き上がり、二段ベッドの上を見上げる。
 カーテンが開いている。優希の姿はなかった。

「まだ、七時なのに」

 サッカー部の朝練は八時半からだ。
 いつもなら部屋にいる時間だ。

「早めに朝ご飯? それとも、練習に行ったのかな」

 小さな不安を抱えながら、奏楽の目が優希の机に向いた。
 机の上に、御守りが置いてある。

「これ……僕があげた、御守り」

 奏楽が渡した、明倫神社の悪霊退散御守りだ。
 肌身離さず持っていると話していたのに。
 胸の奥から得も言われぬ不安が、じわじわと膨れ上がった。

「優希……探さなきゃ」

 優希の御守りを握り締めて、奏楽は部屋を飛び出した。