【不明なデバイスが写真を共有しようとしています】

捜査資料11
【夏目結衣のiCloudストレージ「自動アップロード」復元画像】

タイムスタンプ:202X/06/14 08:31:05
(駅員が駆け寄る直前、地面に頭の先まで吸い込まれる0.5秒前に自動保存された画像)



(画像説明:沼に飲み込まれる結衣の頭部。彼女の目はすでに(うつろ)である)

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捜査資料12
【202X年・サイバー対策課長による生命】
件名:AirDropを介した感染の末期的症状について

 本事案における最大の脅威は、被害者が「消失」することではない。
 真の脅威は、消失した被害者の端末が、ネットワークから切り離された後も「自律的に共有を開始する」ことにある。

1. 端末は「すべての人」からの受信設定を維持したまま、周囲の端末をスキャンし続ける。
2. 検出された「空き容量」の多い端末に対し、優先的に沼の画像を送りつける。
3. 画像を「拒否」せず「受け入れた」端末は、その瞬間に持ち主を食う。

 現在、この警告を読んでいる端末の『AirDrop』設定を確認せよ。
もし、身に覚えのない送信元から「(名称未設定)」という連絡先、あるいは画像が届いている場合、決して「受け入れる」をタップしてはならない。

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【課長の声明の最後の一文】

 ちなみに、私自身は共有範囲がいつのまにか『すべての人』になっており、すでに、この声明文を遺書にする用意はある。