高校入学とほとんど同時期だったと思う。
私、小野寺 美月の周りでは、少しばかり奇妙な出来事が頻繁に起こるようになった。物がなくなったと思えば、いつの間にか新品に替わっている。ある日には、見覚えのない可愛らしいぬいぐるみが、私のベッドの上にちょこんと座っていたこともあった。
1人暮らしを始めたばかりで慣れない環境に戸惑っていた私にとって、そうした現象は「まあ、疲れているんだな」とか「気のせいかな」といった曖昧な結論に落ち着くことがほとんどだった。元々何事も楽観的に捉える節があることに加え、高校生活は想像以上に忙しく、学業面予習復習や1人で家事全般をこなすことに精一杯だったからだ。
そうして1人暮らしにも慣れた6月頃、幸か不幸か不可解な現象にも慣れてしまっていた。正直、実害がないため放っておいてもいい気がしていた。何なら使いかけの物が新品となって返ってくるだけでも儲けものだ。つまり、それらの現象に疑問を持たず、すんなりと受け入れてしまったのだ。
__例えそれが、ストーカーによるものだとしても。



