死に魅せられた高校生たちは今日も誰かと生きている

 死は、思っているよりも身近である。

 特別なものではない。
 遠い世界の出来事でもない。

 誰もが胸の奥に、小さな「死にたい」を飼っている。

 それでも今日を生きるのは、

「今じゃなくてもいい」
「明日、楽しみがある」
「まだ何も終わっていない」
「どうせなら、綺麗に終わりたい」

 そんな、不格好なほど人間臭い『言い訳』の積み重ねだ。


 しかし、この高校生たちは少し違う。
 彼らにとって、それらは生への執着からくる先延ばしではない。
 
 ただの事実である。

 心からそう思うから、今は死を選ばないだけ。
 そこには恐怖も、現実逃避も混ざってはいない。


 彼らにとって、『生』と『死』は等しく並んでいる。
 その上で、1つの選択肢として『死』を抱えながら生きることを選び取っているに過ぎない。

 青春なんて滅んでしまえばいい。
 息苦しくて、不安定で、未完成なのだから。

 それでも、紛れもなくその青春が、彼らを美しくしているのだ。