久登先輩は俺の初恋で、初めての恋人だ。
もちろん、キスなんて人生で一度だってしたことがない。
だから、その突然のキスで、俺は見事に腰を抜かしてしまった。
やばい。力が入らない。せっかくプレゼントも用意したのに、これじゃあ台無しだ。
あまりの恥ずかしさで、小上がりの段差で横になりながら、両手で顔を覆った。
「最悪だ。かっこ悪すぎる……」
なんてぶつぶつ呟いていたら、店の入り口まで逃げてた久登先輩が戻ってきたらしい。視界が陰って、そっと俺を覗き込んでくるのが分かった。
「ちぃちゃん、大丈夫?」
「……大丈夫じゃないです」
「ごめんね?」
絶対、ごめんねって思ってないやつだ。手を下ろしたら、久登先輩の口元は楽しそうに緩んでる。
その唇とキスをした。そう思ったら、また一気に体温が上がって、思いっきり顔を逸らしてしまった。
心臓がまだ落ち着かない。これ、また死ぬやつ。
でも、プレゼントは渡さないと。
とりあえず、そっぽを向いたまま、久登先輩に話しかけることにした。
「久登先輩。プレゼント渡したかったのに、腰抜けて立てないんですけど」
「えっ、じゃあ、あっちまで抱えてあげようか?」
「なんでそうなるんですか!」
勢いよく振り返ったら、久登先輩はくすくすと笑っていた。
「……もう、先輩がプレゼント取ってきてください。そこの、戸棚に入れてるんで」
そう指示したら、久登先輩は一瞬きょとんとしたあと、肩をすくめた。
「はいはい、取ってくるよ」
久登先輩は靴を脱いで、畳に上がった。俺が指差した先の戸棚を開けて、中から大きな包みを取り出す。
「これ?」
「はい。それです。誕生日、遅くなりましたけど……プレゼントです」
そう言うと、久登先輩は「えー、なんだろ〜」って、包みを開けた。大きな狐のぬいぐるみを取り出した瞬間、目を瞬く。
「え、狐!? しかも、でっか! これって抱き枕だよね⁉︎」
「狐が好きって言ってたから」
久登先輩の好きな物を渡したくて、選んだつもりだ。
それに、しょっちゅう俺に抱きつこうとしてくるし。
そんな久登先輩は俺の方を見て、目尻を緩める。
無自覚でやってるのか分かんないけど、その表情は色気がダダ漏れだ。
「ちぃちゃんと思って、毎日抱いて寝るね?」
なんて含みのある声音で、爆弾発言をかましてくるから、俺は大いに咽せた。
もう本当にこの人は、俺の心臓に悪い。
でも、こんな風な関係になるなんて、出会った頃は全く思いもしなかった。
親切な先輩から、面倒くさい先輩になって。そこから、かけがえのない存在になるなんて。
「久登先輩、俺よりその狐を好きにならないでくださいね」
ぎゅうぎゅう狐を抱きしめて、それにキスまでしそうになってる久登先輩に、横になったまま伝える。
すると久登先輩は一瞬、固まった。
次の瞬間、あげたばかりの狐をほっぽり出す。
「ちぃちゃん、もう一緒に住も⁉︎ 俺の抱き枕はちぃちゃんがいい!」
そう言って、動けない俺にキスの嵐を食らわせてきたから、この人はほんと……やばい人だ。
もちろん、キスなんて人生で一度だってしたことがない。
だから、その突然のキスで、俺は見事に腰を抜かしてしまった。
やばい。力が入らない。せっかくプレゼントも用意したのに、これじゃあ台無しだ。
あまりの恥ずかしさで、小上がりの段差で横になりながら、両手で顔を覆った。
「最悪だ。かっこ悪すぎる……」
なんてぶつぶつ呟いていたら、店の入り口まで逃げてた久登先輩が戻ってきたらしい。視界が陰って、そっと俺を覗き込んでくるのが分かった。
「ちぃちゃん、大丈夫?」
「……大丈夫じゃないです」
「ごめんね?」
絶対、ごめんねって思ってないやつだ。手を下ろしたら、久登先輩の口元は楽しそうに緩んでる。
その唇とキスをした。そう思ったら、また一気に体温が上がって、思いっきり顔を逸らしてしまった。
心臓がまだ落ち着かない。これ、また死ぬやつ。
でも、プレゼントは渡さないと。
とりあえず、そっぽを向いたまま、久登先輩に話しかけることにした。
「久登先輩。プレゼント渡したかったのに、腰抜けて立てないんですけど」
「えっ、じゃあ、あっちまで抱えてあげようか?」
「なんでそうなるんですか!」
勢いよく振り返ったら、久登先輩はくすくすと笑っていた。
「……もう、先輩がプレゼント取ってきてください。そこの、戸棚に入れてるんで」
そう指示したら、久登先輩は一瞬きょとんとしたあと、肩をすくめた。
「はいはい、取ってくるよ」
久登先輩は靴を脱いで、畳に上がった。俺が指差した先の戸棚を開けて、中から大きな包みを取り出す。
「これ?」
「はい。それです。誕生日、遅くなりましたけど……プレゼントです」
そう言うと、久登先輩は「えー、なんだろ〜」って、包みを開けた。大きな狐のぬいぐるみを取り出した瞬間、目を瞬く。
「え、狐!? しかも、でっか! これって抱き枕だよね⁉︎」
「狐が好きって言ってたから」
久登先輩の好きな物を渡したくて、選んだつもりだ。
それに、しょっちゅう俺に抱きつこうとしてくるし。
そんな久登先輩は俺の方を見て、目尻を緩める。
無自覚でやってるのか分かんないけど、その表情は色気がダダ漏れだ。
「ちぃちゃんと思って、毎日抱いて寝るね?」
なんて含みのある声音で、爆弾発言をかましてくるから、俺は大いに咽せた。
もう本当にこの人は、俺の心臓に悪い。
でも、こんな風な関係になるなんて、出会った頃は全く思いもしなかった。
親切な先輩から、面倒くさい先輩になって。そこから、かけがえのない存在になるなんて。
「久登先輩、俺よりその狐を好きにならないでくださいね」
ぎゅうぎゅう狐を抱きしめて、それにキスまでしそうになってる久登先輩に、横になったまま伝える。
すると久登先輩は一瞬、固まった。
次の瞬間、あげたばかりの狐をほっぽり出す。
「ちぃちゃん、もう一緒に住も⁉︎ 俺の抱き枕はちぃちゃんがいい!」
そう言って、動けない俺にキスの嵐を食らわせてきたから、この人はほんと……やばい人だ。

