「だめだ……可愛すぎる。あー、なんでこんな可愛いわけ」
ちぃちゃんに告白した、翌週の月曜日。俺は昼休みの教室で、ちぃちゃんとのメッセージを眺めていた。
《さっき食べたワクチョコから、一反木綿のシールが出てきました。可愛かったです》
《ほんと? 見たい》
《これです》
そう言って、ついさっきちぃちゃんから写真まで送られてきた。
こんな風に送ってくるちぃちゃんこそが可愛いし、シールを持つ手は同じ男のものなのに、それすらも愛おしい。
俺は「やーばっ」なんて独りごちて、ついにまにまと笑みをこぼした。
少し前のちいちゃんは、うんざりしながら俺に接していたし、自分からメッセージ送ってくることなんて皆無だった。まぁそこも可愛かったんだけど、今はデレが見え隠れして、たまらん。
このメッセージをどんな顔で送ってきたのか。それを考えるだけで顔が緩みっぱなしだ。
「あ〜、今すぐ腕ん中に閉じ込めたい〜」
なんて言っていたら、和久から「キモ」って言われてしまった。
「えっ、ひど」
「いや、朝からずっと隣でニヤニヤされてたらキモいし。優等生キャラどこいったよ」
隣を見れば、和久は後ろの席のクマ川──こと、長谷川にチョコを食わせていた。
和久だって、ちぃちゃんの前だと猫かぶりだ。なのに、すぐ自分のことは棚に上げる。
ちぃちゃんに早く本性バレてしまえ……。なんて思うけど、和久はちぃちゃんの大事な兄上様だ。こいつに嫌われたら、終わる。なので、俺はぐっと言葉を呑み込んだ。
ただ、ムカつくのは、俺はちぃちゃんとはまだ恋人未満の関係なのに、和久はバレンタインにクマ川と付き合ったことだ。
ちぃちゃんの前で格好つけた手前、口にはしないけど、待つっていつまで待ったらいいのか。ちぃちゃんの焦らしプレイに、早くも音をあげそうだ。
とはいえ、俺は幸せ者に違いない。
──俺、たぶん、好きになったら凄く重くなりますよ。
──久登先輩から逃げないんで。気持ちが追いつくまで、待っててくれますか?
なんて、あのちぃちゃんが言ってくれたのだ。あの時のちぃちゃんは世界一可愛いかった。
思い出すだけで、俺は体が溶けてしまいそうで、いくらでもキモくなれる。
あー、なんかちぃちゃんに会いたくなった。もう付き合うまで秒読みだし、ちぃちゃんもメッセージ送ってくれるくらいだ。きっと俺に会いたいはず。
左手のスマートウォッチを見たら、昼休みは残り十分。全力疾走すれば、三分で行けるはずだ。
廊下を走る姿を先生たちに見られたら卒倒されそうだけど、まぁ一度くらいなら許してもらえるだろう。
「よし、一年の教室行ってくる」
決意を固めて、俺は立ち上がる。
「はぁ? 一年? なんで」
「もし俺が帰って来なかったら、腹痛で保健室に行ったって伝えて」
「いや、だからなんで一年の──」
和久の問いには一切答えず、俺は教室を飛び出した。
ちぃちゃんに告白した、翌週の月曜日。俺は昼休みの教室で、ちぃちゃんとのメッセージを眺めていた。
《さっき食べたワクチョコから、一反木綿のシールが出てきました。可愛かったです》
《ほんと? 見たい》
《これです》
そう言って、ついさっきちぃちゃんから写真まで送られてきた。
こんな風に送ってくるちぃちゃんこそが可愛いし、シールを持つ手は同じ男のものなのに、それすらも愛おしい。
俺は「やーばっ」なんて独りごちて、ついにまにまと笑みをこぼした。
少し前のちいちゃんは、うんざりしながら俺に接していたし、自分からメッセージ送ってくることなんて皆無だった。まぁそこも可愛かったんだけど、今はデレが見え隠れして、たまらん。
このメッセージをどんな顔で送ってきたのか。それを考えるだけで顔が緩みっぱなしだ。
「あ〜、今すぐ腕ん中に閉じ込めたい〜」
なんて言っていたら、和久から「キモ」って言われてしまった。
「えっ、ひど」
「いや、朝からずっと隣でニヤニヤされてたらキモいし。優等生キャラどこいったよ」
隣を見れば、和久は後ろの席のクマ川──こと、長谷川にチョコを食わせていた。
和久だって、ちぃちゃんの前だと猫かぶりだ。なのに、すぐ自分のことは棚に上げる。
ちぃちゃんに早く本性バレてしまえ……。なんて思うけど、和久はちぃちゃんの大事な兄上様だ。こいつに嫌われたら、終わる。なので、俺はぐっと言葉を呑み込んだ。
ただ、ムカつくのは、俺はちぃちゃんとはまだ恋人未満の関係なのに、和久はバレンタインにクマ川と付き合ったことだ。
ちぃちゃんの前で格好つけた手前、口にはしないけど、待つっていつまで待ったらいいのか。ちぃちゃんの焦らしプレイに、早くも音をあげそうだ。
とはいえ、俺は幸せ者に違いない。
──俺、たぶん、好きになったら凄く重くなりますよ。
──久登先輩から逃げないんで。気持ちが追いつくまで、待っててくれますか?
なんて、あのちぃちゃんが言ってくれたのだ。あの時のちぃちゃんは世界一可愛いかった。
思い出すだけで、俺は体が溶けてしまいそうで、いくらでもキモくなれる。
あー、なんかちぃちゃんに会いたくなった。もう付き合うまで秒読みだし、ちぃちゃんもメッセージ送ってくれるくらいだ。きっと俺に会いたいはず。
左手のスマートウォッチを見たら、昼休みは残り十分。全力疾走すれば、三分で行けるはずだ。
廊下を走る姿を先生たちに見られたら卒倒されそうだけど、まぁ一度くらいなら許してもらえるだろう。
「よし、一年の教室行ってくる」
決意を固めて、俺は立ち上がる。
「はぁ? 一年? なんで」
「もし俺が帰って来なかったら、腹痛で保健室に行ったって伝えて」
「いや、だからなんで一年の──」
和久の問いには一切答えず、俺は教室を飛び出した。

