四時間目の授業終了後、優作は小さく息を吐きながら立ち上がると、教室の通路に置いていた鞄ーースポーツバッグーーから弁当箱を取り出した。
優作の家庭は両親が忙しく、祖母と妹しか顔を合わせる機会が少なく、会話もしていない。
「一緒に飯食おうぜ」
外見の割に少し高い勇の声が背後から飛んだ。
「う、うん」優作は暗黙の了解で椅子を持ち上げると、勇の机の横に付ける。
「……勇、昨日横川君に告白されていたよね」
優作は弁当箱には手を付けず、何気ない様子を装って勇にそう言った。
こげ茶色のくせのあるふわふわの前髪の下から、同じこげ茶色の瞳が勇を捉える。その瞳はどこか子犬を思わせると、勇は思った。
「ああ、やっぱり見てたのか。ちゃんと断ったけどな」
勇は素っ気なく言うと、焼きそばパンの袋を両手で開封する。
優作は勇の態度を窺うように上目遣いで彼を見ながら、
「こんなこと言っていいのか分からないけど。どうして断ったんだい」
その時、女子がクスクス笑う声が、優作の耳に届いた。
「昨日、横川が華月君に告白したって聞いた?」
「隣のクラスの亜子から聞いたわ。なんか噂では、その時桜寺君がその場に居たって」
「自分の彼氏が告白されてるの見ちゃったんだ。それって三角関係ってやつ〜?」
途端、優作の顔が熱くなった。様々な感情が胸中に渦巻き、思わず俯いた。赤くなっているであろう顔を上げられない。
「お前が気にすることじゃない。いつもの事だろ」
勇は頬杖をつき、空いた片手で優作のこげ茶色のくせ毛でふわふわの頭に優しく手を置いた。
「うん……」
優作は俯いたまま優しく微笑んだ。
「それより昼飯食おうぜ。休み時間が無くなっちまうし、せっかくの飯も不味くなるだろ」
ぶっきらぼうだが優しい勇の声音に、優作は「そうだね」と目を細めて柔らかく笑んだ。
優作の家庭は両親が忙しく、祖母と妹しか顔を合わせる機会が少なく、会話もしていない。
「一緒に飯食おうぜ」
外見の割に少し高い勇の声が背後から飛んだ。
「う、うん」優作は暗黙の了解で椅子を持ち上げると、勇の机の横に付ける。
「……勇、昨日横川君に告白されていたよね」
優作は弁当箱には手を付けず、何気ない様子を装って勇にそう言った。
こげ茶色のくせのあるふわふわの前髪の下から、同じこげ茶色の瞳が勇を捉える。その瞳はどこか子犬を思わせると、勇は思った。
「ああ、やっぱり見てたのか。ちゃんと断ったけどな」
勇は素っ気なく言うと、焼きそばパンの袋を両手で開封する。
優作は勇の態度を窺うように上目遣いで彼を見ながら、
「こんなこと言っていいのか分からないけど。どうして断ったんだい」
その時、女子がクスクス笑う声が、優作の耳に届いた。
「昨日、横川が華月君に告白したって聞いた?」
「隣のクラスの亜子から聞いたわ。なんか噂では、その時桜寺君がその場に居たって」
「自分の彼氏が告白されてるの見ちゃったんだ。それって三角関係ってやつ〜?」
途端、優作の顔が熱くなった。様々な感情が胸中に渦巻き、思わず俯いた。赤くなっているであろう顔を上げられない。
「お前が気にすることじゃない。いつもの事だろ」
勇は頬杖をつき、空いた片手で優作のこげ茶色のくせ毛でふわふわの頭に優しく手を置いた。
「うん……」
優作は俯いたまま優しく微笑んだ。
「それより昼飯食おうぜ。休み時間が無くなっちまうし、せっかくの飯も不味くなるだろ」
ぶっきらぼうだが優しい勇の声音に、優作は「そうだね」と目を細めて柔らかく笑んだ。
