そうこうする内に、屋上の縁を囲む柵の周りが人で埋め尽くされていた。
若いカップルや子どもを連れた夫婦は皆、フェンス越しに花火を見たり写真を撮ろうとスマホを自分の頭の上に掲げている。
「うーん、どこも埋まっているから空いている場所ないなぁ」
「まあ一年に一回だし、こういうのは早い者勝ちだからな」
勇が腰に両手をあて、さっぱりした口調で言う。
「良い場所が早く埋まるのは仕方ねえ。なら俺らは、いつもの場所へ行くか」
勇が優作を見下ろして言う、その口元に微笑みが浮かんでいた。
口角をわずかに上げた彼の表情に、優作は高揚に似た、心臓がドキンッと高鳴るのを感じた。
それがつい優作の顔をほころばせる。なにがそんなに自分を嬉しくさせるのか分からないーーけれど、
「うん。行こうか、あの場所へ!」
顔一面に笑顔を浮かべて、勇の背後を歩き出す。
二人は屋上の一番端、エアコンに近い場所に移動した。
ここはエレベーターホールから遠く、わずかに角になっていて人目に付き難いためか、誰一人としていなかった。
勇の腰くらいの高さのあるフェンスの向こうで、エアコンの熱風がゴオゴオと音をたてて稼働している。
「相変わらずこの場所は毎年空いているね」
若いカップルや子どもを連れた夫婦は皆、フェンス越しに花火を見たり写真を撮ろうとスマホを自分の頭の上に掲げている。
「うーん、どこも埋まっているから空いている場所ないなぁ」
「まあ一年に一回だし、こういうのは早い者勝ちだからな」
勇が腰に両手をあて、さっぱりした口調で言う。
「良い場所が早く埋まるのは仕方ねえ。なら俺らは、いつもの場所へ行くか」
勇が優作を見下ろして言う、その口元に微笑みが浮かんでいた。
口角をわずかに上げた彼の表情に、優作は高揚に似た、心臓がドキンッと高鳴るのを感じた。
それがつい優作の顔をほころばせる。なにがそんなに自分を嬉しくさせるのか分からないーーけれど、
「うん。行こうか、あの場所へ!」
顔一面に笑顔を浮かべて、勇の背後を歩き出す。
二人は屋上の一番端、エアコンに近い場所に移動した。
ここはエレベーターホールから遠く、わずかに角になっていて人目に付き難いためか、誰一人としていなかった。
勇の腰くらいの高さのあるフェンスの向こうで、エアコンの熱風がゴオゴオと音をたてて稼働している。
「相変わらずこの場所は毎年空いているね」
