そばにいたのはキミだった

返事を書くだけでも、何度も間違えてたくさんやり直した。誰かに向けて書く文章はこんなに大変なのか…と思ったのは初めてだ。

「よし…!できた!」
「よかったね。綺麗に書けてるよ」
「いや宵衣くんのおかげだ…。何枚も手紙使っちゃってごめん」
「いいよいいよ。じゃあそれ俺が預かるね。明日渡しておくよ」
「あ、ありがとう…」


そう言って、宵衣くんは手紙を自分の鞄へ大事そうに入れていた。時計を見ると、もうすぐ17時になるところだった。昼間よりも冷え込んできて、外も薄暗くなってきている。


「えっと、今日はありがとう…」
「いいよ。俺も頼まれたことだし、せっかく知り合ったんだから力になりたいし」


イケメンは真顔でも笑ってもかっこいいんだな…。


「あ、そうだ。LINE交換してくれないかな?」
「え!?俺と?」
「うん。日記をもらったりとか、これから色々連絡が必要になると思うし」
「あ、そうか…ええと、じゃあ携帯…あった!」


言われるままLINEを交換して、リストにyoiという名前が追加された。しばらく公式アカウントだらけの友達欄に新しい名前が加わり、少し嬉しく思った。


「じゃあ、えっと…手紙よろしくお願いします!」
「うん。日記も渡されたらまた連絡するね」
「分かった!」

まだ少しぎこちないけど、呼び出された時よりは話せるようになった気がする。慧人の言っていた通り、宵衣くんは若干の気だるさはあるけど、話せば話すほどコロコロ色んな表情を見せる人なんだと分かった。


もう少し仲良くなってみたいかも…。


「じゃあ、俺帰るね!また!」
「またね」


先に空き教室を出て、小走りで階段を降りた。なんだか今日は走ってみたい気分だ。

それにしても、手紙明日読まれるのか…。ドキドキしてきたな…。