そばにいたのはキミだった


「またこの日が来たのか…」

俺は机に項垂れながら、隣の席の奴をじーっと凝視した。視線に気付いたそいつは誇らしげに鼻を鳴らす。


「今年も彼女からもらっちゃった☆」
「はいうざいー」


そう、今日はバレンタインデー。毎年毎年、なんでこの日が来るかなぁ!?そしてなんでいつも学校がある日なのかなぁ!?


今年も周りのヤツらは男女共に浮かれている。俺の友達の慧斗(けいと)も、去年から付き合っている彼女にもらった手作りチョコを見せつけるかのように掲げている。


「香夜は何もないの?相変わらず?」

「見ての通り何もねーよ」

「もったいないな〜せっかくの高校生活なのに!お前って別に顔も悪いわけじゃないのにな」

「うるさいな、どうせ平々凡々男ですよ」


でも、確かにコイツの言う通りもったいない。せっかくの高校生ライフをこのまま恋愛沙汰無しで過ぎていくなんて…。


だからと言って、好きな子も居なければ仲睦まじい子もいない。子供の頃は女友達もいたけど、思春期を迎えてだんだんと接さなくなり、女子との接し方も忘れてしまった。


江崎香夜(えざきこうや)17歳。


チョコなし、彼女なし、恋愛経験なし!!