強まる漆黒の妖気の中、青紫は厄の妖怪と対峙していた。
「っ……!」
厄の妖怪の体には、青紫の異能で造形された氷の矢が刺さり、動きを止めているが、厄の妖怪の勢力は弱まることなく、その妖気は邪気へと変化しつつあった。
厄の妖怪から出る邪気により、森の木や川の水は生命を奪われていた。
逃げ遅れた森に住む妖怪の中には、すでに邪気に飲まれてしまっている者いる。
もっと抑え込まなければ、犠牲が増える。
「ゲホッ……!」
咳き込み、片膝をつく青紫。
口元で片手を押さえ込みながら、咳き込み続けると、吐血してしまう。力を使い過ぎているせいで、青紫の体には、すでに多くの毒が回っている。思っていたよりも、この体で異能を使うのは危ういようだ。
それでも、青紫の攻撃の手を緩めるわけにはいかない。
一度、厄の妖怪から離れ、頭上に飛び立った青紫は、両手から氷の結晶を出し、厄の妖怪を囲い込むように放つ。結晶は厄の妖怪の体の中に埋め込まれ、爆発する。
厄の妖怪は苦痛な悲鳴を上げた。
「ゲホゲホッッ……!!」
飛びながら、さらに吐血した青紫の顔には、霜ができ、吐かれる吐息は白く凍えるように冷たい。
こんな姿になってまでまだ戦うなんて。かつての自分なら、こんなことはできなかった。
愛している。優子にそう言われた時、時が止まった。
愛した人が、自分を愛している。その喜びは、言葉でいい表せないくらいの幸せが、青紫の胸の中を埋め尽くした。
(……母さん、私、やっと分かりました)
ずっと、母のことを愚かな人だと思っていた。地位も名声も、何もかも捨てて、妖怪である父と一緒になり、己の命すらも惜しいと思わなかった。
だが、今なら分かる。たとえ全てを失ってでも、守りたい人がいる。
青紫は自分を奮い立たせると、力を振り絞る。
「っ……!」
厄の妖怪の体には、青紫の異能で造形された氷の矢が刺さり、動きを止めているが、厄の妖怪の勢力は弱まることなく、その妖気は邪気へと変化しつつあった。
厄の妖怪から出る邪気により、森の木や川の水は生命を奪われていた。
逃げ遅れた森に住む妖怪の中には、すでに邪気に飲まれてしまっている者いる。
もっと抑え込まなければ、犠牲が増える。
「ゲホッ……!」
咳き込み、片膝をつく青紫。
口元で片手を押さえ込みながら、咳き込み続けると、吐血してしまう。力を使い過ぎているせいで、青紫の体には、すでに多くの毒が回っている。思っていたよりも、この体で異能を使うのは危ういようだ。
それでも、青紫の攻撃の手を緩めるわけにはいかない。
一度、厄の妖怪から離れ、頭上に飛び立った青紫は、両手から氷の結晶を出し、厄の妖怪を囲い込むように放つ。結晶は厄の妖怪の体の中に埋め込まれ、爆発する。
厄の妖怪は苦痛な悲鳴を上げた。
「ゲホゲホッッ……!!」
飛びながら、さらに吐血した青紫の顔には、霜ができ、吐かれる吐息は白く凍えるように冷たい。
こんな姿になってまでまだ戦うなんて。かつての自分なら、こんなことはできなかった。
愛している。優子にそう言われた時、時が止まった。
愛した人が、自分を愛している。その喜びは、言葉でいい表せないくらいの幸せが、青紫の胸の中を埋め尽くした。
(……母さん、私、やっと分かりました)
ずっと、母のことを愚かな人だと思っていた。地位も名声も、何もかも捨てて、妖怪である父と一緒になり、己の命すらも惜しいと思わなかった。
だが、今なら分かる。たとえ全てを失ってでも、守りたい人がいる。
青紫は自分を奮い立たせると、力を振り絞る。
