◇
それから数年、あかりがいなくなった世界で、おれは生きていた。
呼吸をし、食事をし、学校に通い、定められたレールに乗って、大人になる準備をした。途中でやさぐれてみたりもした。何日も家に帰らず、髪を銀色に染めて、おれの嫌いな世界のすべてを拒絶してみたりもした。
でも、それは〝生きている〟というより、ただ〝止まらなかった〟だけだった。
彼女のいない日々に慣れていくのが、ほかのなによりも恐ろしかった。
名前を呼ばれるたび、ついあかりを重ねて振り返ってしまう。
どこかで笑い声が聞こえると、近くに彼女の声がないか探してしまう。
最初はそんなふうにあかりの面影を追いかけていたのに、時が経つにつれ、次第になくなっていく。おれのなかで、あかりが遠のいていく。
だめだった。
――あかりを忘れてしまいそうになる自分に、おれは、耐えられなかった。
それから数年、あかりがいなくなった世界で、おれは生きていた。
呼吸をし、食事をし、学校に通い、定められたレールに乗って、大人になる準備をした。途中でやさぐれてみたりもした。何日も家に帰らず、髪を銀色に染めて、おれの嫌いな世界のすべてを拒絶してみたりもした。
でも、それは〝生きている〟というより、ただ〝止まらなかった〟だけだった。
彼女のいない日々に慣れていくのが、ほかのなによりも恐ろしかった。
名前を呼ばれるたび、ついあかりを重ねて振り返ってしまう。
どこかで笑い声が聞こえると、近くに彼女の声がないか探してしまう。
最初はそんなふうにあかりの面影を追いかけていたのに、時が経つにつれ、次第になくなっていく。おれのなかで、あかりが遠のいていく。
だめだった。
――あかりを忘れてしまいそうになる自分に、おれは、耐えられなかった。



