次の日の昼休み
悠真はいつも通り、僕も机に腰をかけてきた。
「なぁ、透」
沈黙を破ったのは悠真だった。
「昨日のやつさ」
悠真は声を落とした
「もう結構出回ってるっぽいな。」
「...そうみたいだね。」
それ以上言葉は続かなかった。
悠真はスマホをひっくり返し、画面を伏せた。
「別にさ、俺らがなにかしたわけじゃないじゃん?」
その言い方は、自分に言い聞かせているようだった。
「動画撮ったのも俺らじゃないし、投稿したのも違うし。」
一つ一つ、責任から距離を取るように言葉を並べる。
「なのにさ、"なんで止めないの?"とか言われてもさ。」
悠真は小さく笑った
「無理だろ。あの空気で。」
その一言で、あの時の景色が一気に思い出された。
笑い声。
視線。
周りにいた誰もが"分かっている"のに、
誰も動かない。
「下手に首突っ込んだら、今度は自分の番だろ。」
「それにさ、正しいこと言ったからって、現実が変わるわけでもないし。」
僕は何も言えなかった。
否定も、肯定もできなかった。
「透はさ、どう思う?」
急に振られて、心臓が跳ねた。
「...わかんないや。」
悠真は「だよな。」と言って、
それ以上踏み込まなかった。
その距離感が、ありがたくて
同時に少し苦しかった。
チャイムが鳴って、昼休みが終わる。
悠真は何事もなかったかのように席に戻っていった。
僕はさっきの会話を頭の中で何度もなぞりながら、ノートを開いた。
関わらない理由はちゃんとわかっていた。
わかっているからこそ、それを選び続ける自分が
少しずつ重くなっていくのを感じていた。
その感情に
まだ名前はなかった。
悠真はいつも通り、僕も机に腰をかけてきた。
「なぁ、透」
沈黙を破ったのは悠真だった。
「昨日のやつさ」
悠真は声を落とした
「もう結構出回ってるっぽいな。」
「...そうみたいだね。」
それ以上言葉は続かなかった。
悠真はスマホをひっくり返し、画面を伏せた。
「別にさ、俺らがなにかしたわけじゃないじゃん?」
その言い方は、自分に言い聞かせているようだった。
「動画撮ったのも俺らじゃないし、投稿したのも違うし。」
一つ一つ、責任から距離を取るように言葉を並べる。
「なのにさ、"なんで止めないの?"とか言われてもさ。」
悠真は小さく笑った
「無理だろ。あの空気で。」
その一言で、あの時の景色が一気に思い出された。
笑い声。
視線。
周りにいた誰もが"分かっている"のに、
誰も動かない。
「下手に首突っ込んだら、今度は自分の番だろ。」
「それにさ、正しいこと言ったからって、現実が変わるわけでもないし。」
僕は何も言えなかった。
否定も、肯定もできなかった。
「透はさ、どう思う?」
急に振られて、心臓が跳ねた。
「...わかんないや。」
悠真は「だよな。」と言って、
それ以上踏み込まなかった。
その距離感が、ありがたくて
同時に少し苦しかった。
チャイムが鳴って、昼休みが終わる。
悠真は何事もなかったかのように席に戻っていった。
僕はさっきの会話を頭の中で何度もなぞりながら、ノートを開いた。
関わらない理由はちゃんとわかっていた。
わかっているからこそ、それを選び続ける自分が
少しずつ重くなっていくのを感じていた。
その感情に
まだ名前はなかった。
