数時間前。
生徒会室の豪華な執務椅子で、セオドリック・フォン・ランカスターは一人、拳を握りしめて燃えていた。
彼には、公爵家嫡男としての立場ゆえの孤独があった。周囲にいるのは、彼を崇拝するか利用しようとする者ばかり。その中で唯一、皮肉を交えながらも対等に言葉を交わし、自分の理想を支えてくれるのが、副会長のレイモンドだった。
だからこそ、セオドリックは苦悩していた。
これほど気高く有能な魂を持つ男が、没落した家門の汚名を背負い、自分の後ろに控えるだけの影として、一生を終えていいはずがない。
(レイを、このまま日陰の副会長として腐らせておくわけにはいかない)
セオドリックにとって、レイモンドは拾ってやった没落貴族などではなく、熾烈な競争社会の中で唯一自分の本質を見抜いてくれた魂の半身だ。
そんな親友に相応しいのは、僕の背後ではなく、隣に並び立つ正当な地位であるべきだ。そう、セオドリックの独善的な正義感は、勝手に一つの結論を導き出していた。
「ならば、僕が彼を公に認め、ランカスターの庇護ではなく、対等な共同統治者として叙任すべきではないか?」
