高貴なる生徒会長は、今日も副会長を慈しむ  ~学園の貴公子と没落貴族のすれ違い救済ライフ~



 黄金の光が収束し、ラボに再び薄暗い静寂が戻ってきた。
 中心に鎮座する魔導核は、二人の魔力が馴染んだ証として、心臓の鼓動のような淡い明滅(めいめつ)を繰り返している。

「……ふぅ。……どうだった、俺の術式は」

 レイモンドは実験台に手をつき、荒い息を吐きながら、不敵な、しかしどこか満足げな笑みを浮かべた。
 だが、その限界は近かった。精密すぎる制御は、彼の精神と魔力を極限まで削っていたのだ。
 膝の力が抜け、崩れ落ちそうになったその身体を、温かな、しかし力強い腕が支えた。

「見事だったよ、レイ。……君は、僕が夢見た以上の景色を、この手に届けてくれた」

 セオドリックの声は、いつもの朗々とした響きではなく、吐息のような熱を帯びていた。
 彼は、支えたレイモンドの身体を離そうとしなかった。それどころか、その肩に顔を埋めるようにして、深く、深く安堵の息をつく。

「……おい。離せ、暑苦しい」
「少しだけ、このままでいさせてくれ。……こんなに心が昂ぶったのは、生まれて初めてなんだ」