今日は、昼間に来客があった。
おかげで僕はまた、リードを外されて、トイレに行けた。
なんか最近、トイレの話ばっかりだね。汚くてごめん。
来客は、あーくんのお母さんだった。
「お久し振りです、お義母さん。
息子に会いに来たんですが……」
「あら、悪いわねえ、今ちょうど出かけてるのよ」
「最近、連絡が取れなくて。
携帯も電源が入っていないのか、つながらないものですから」
「嫌ねえ、もっとしっかりするように言っておくわ」
「ちょっと、上がらせていただいても?」
玄関扉の閉まる音がして、お母さんの声が近付く。
「あら、お義母さん、ペットを飼い始めたんですか?
ここに餌皿が……」
「ええ、まあ」
「……やっぱりお寂しいでしょうね。
お義父さんも、健さんも、ペットのケンちゃんも、立て続けに……」
「悪いけど、あんまりその話はしないでちょうだい」
「あ、すみません……」
「今日はもう帰ってくれない?
あーくんはしばらく戻ってこないと思うし、それに、私、寂しくなんてないから」
「はい……すみませんでした」
そんな感じで、お母さんは帰っていった。
おばあちゃんは、僕をトイレから出して、リードにつなぐと、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「かわいいケンちゃん。寂しくなんてないわよねえ」
おばあちゃんは、ちょっと泣いてるみたいだった。
おばあちゃんは、去年、夫を亡くした。
すっかり意気消沈して、息子(あーくんのお父さん)を頼り、毎日電話して家に来てもらってたんだけど、その息子も後を追うように亡くしてしまったそうだ。
その後、ペットを飼って、ペットに息子の名前をつけてかわいがってたんだけど、そのペットも亡くしてしまったらしい。
で、いよいよ心の支えがなくなって、あーくんの所に来たんだ。
つまり、僕は、おばあちゃんにとっては2代目のペットのケンちゃんなのだ。
よほど思い入れがあったのか、同じ名前をつけてくれたってわけ。
あーくんがいない今、僕がおばあちゃんを助けないといけない。
体調を崩している場合じゃないんだ。
それと同時に、あーくんのことも、なんとかしたいと思う。
職場の人も、あーくんのお母さんも、あーくんと連絡が取れなくて心配してる。
あーくんがスマホを家に置いていって、おばあちゃんが電源を切ってしまったからだ。
明日の夜、おばあちゃんが寝たら、あーくんのスマホを調べてみよう。
あーくんがどこに行ったのか、もしかしたら分かるかもしれない。
おかげで僕はまた、リードを外されて、トイレに行けた。
なんか最近、トイレの話ばっかりだね。汚くてごめん。
来客は、あーくんのお母さんだった。
「お久し振りです、お義母さん。
息子に会いに来たんですが……」
「あら、悪いわねえ、今ちょうど出かけてるのよ」
「最近、連絡が取れなくて。
携帯も電源が入っていないのか、つながらないものですから」
「嫌ねえ、もっとしっかりするように言っておくわ」
「ちょっと、上がらせていただいても?」
玄関扉の閉まる音がして、お母さんの声が近付く。
「あら、お義母さん、ペットを飼い始めたんですか?
ここに餌皿が……」
「ええ、まあ」
「……やっぱりお寂しいでしょうね。
お義父さんも、健さんも、ペットのケンちゃんも、立て続けに……」
「悪いけど、あんまりその話はしないでちょうだい」
「あ、すみません……」
「今日はもう帰ってくれない?
あーくんはしばらく戻ってこないと思うし、それに、私、寂しくなんてないから」
「はい……すみませんでした」
そんな感じで、お母さんは帰っていった。
おばあちゃんは、僕をトイレから出して、リードにつなぐと、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「かわいいケンちゃん。寂しくなんてないわよねえ」
おばあちゃんは、ちょっと泣いてるみたいだった。
おばあちゃんは、去年、夫を亡くした。
すっかり意気消沈して、息子(あーくんのお父さん)を頼り、毎日電話して家に来てもらってたんだけど、その息子も後を追うように亡くしてしまったそうだ。
その後、ペットを飼って、ペットに息子の名前をつけてかわいがってたんだけど、そのペットも亡くしてしまったらしい。
で、いよいよ心の支えがなくなって、あーくんの所に来たんだ。
つまり、僕は、おばあちゃんにとっては2代目のペットのケンちゃんなのだ。
よほど思い入れがあったのか、同じ名前をつけてくれたってわけ。
あーくんがいない今、僕がおばあちゃんを助けないといけない。
体調を崩している場合じゃないんだ。
それと同時に、あーくんのことも、なんとかしたいと思う。
職場の人も、あーくんのお母さんも、あーくんと連絡が取れなくて心配してる。
あーくんがスマホを家に置いていって、おばあちゃんが電源を切ってしまったからだ。
明日の夜、おばあちゃんが寝たら、あーくんのスマホを調べてみよう。
あーくんがどこに行ったのか、もしかしたら分かるかもしれない。


