涙を止めようとするけれど。一回零れ出てしまったからか、堰を切ったように次々と涙が溢れてしまう。……強がってはいるけれど、自分は怖かったのだ。初めての儀式。初めての浄化。その時に起きてしまった不測の事態――。
「花緒……」
桜河は戸惑った様子で花緒を見つめている。
(ああ、桜河様を困らせてしまっている。早く、涙を止めなきゃ)
そうして謝罪をしなければ。もっと強い贄となります。次こそは儀式を上手く成功させます、と――。
それなのに上手く笑顔を浮かべられない。
(どうして止まってくれないの……!)
花緒が、涙を止めようと強く目を閉じた時だった。桜河が腕を伸ばし、花緒を包み込むように抱きしめる。花緒は自然と彼の胸元に顔を埋める。驚いて目を見開いている花緒の頭を、桜河の手がぎこちなく撫でる。
「花緒。泣くな。おまえにそのように泣かれると、俺はどうしたらいいのかわからない」
「桜河、様。申し訳ございませっ……」
「謝るな。おまえは良くやった。こうして無事に生きてくれているだけで、俺はとても……安心しているんだ。もう、あのような無茶はしないと約束してくれ」
耳もとで切実に紡がれる言葉。
このように優しくされたら、もっと涙が止まらなくなってしまう。
「花緒……」
桜河は戸惑った様子で花緒を見つめている。
(ああ、桜河様を困らせてしまっている。早く、涙を止めなきゃ)
そうして謝罪をしなければ。もっと強い贄となります。次こそは儀式を上手く成功させます、と――。
それなのに上手く笑顔を浮かべられない。
(どうして止まってくれないの……!)
花緒が、涙を止めようと強く目を閉じた時だった。桜河が腕を伸ばし、花緒を包み込むように抱きしめる。花緒は自然と彼の胸元に顔を埋める。驚いて目を見開いている花緒の頭を、桜河の手がぎこちなく撫でる。
「花緒。泣くな。おまえにそのように泣かれると、俺はどうしたらいいのかわからない」
「桜河、様。申し訳ございませっ……」
「謝るな。おまえは良くやった。こうして無事に生きてくれているだけで、俺はとても……安心しているんだ。もう、あのような無茶はしないと約束してくれ」
耳もとで切実に紡がれる言葉。
このように優しくされたら、もっと涙が止まらなくなってしまう。
