黒蛇様と契りの贄姫

 俯いて黙り込んでしまった花緒の顔を、桜河が気遣うふうに覗き込む。

「花緒、どうしたのだ? どこか具合が悪いのか?」

「いいえ、いいえ、大丈夫です……! それよりも桜河様、このようなところで眠っておられて……。私などのそばに付いていてくださったのですか?」

「無論だ。おまえは、あの浄化の儀の後、三日間も眠っていたのだぞ」

「みっ……」

 花緒は息を呑む。あの儀式からそれほど日が経っているとは予想していなかった。そうだとすると、桜河は三日近く自分のそばに付いていてくれたのだろうか。ずいぶんと心配をかけてしまったに違いない。

 桜河が手を伸ばし、花緒の真っ白な髪を一房掬い上げる。知らず知らず俯いていた花緒は、その優しい仕草に驚いて顔を上げた。目が合うと、桜河が穏やかに目を細める。