「……本当に、すまなかった」
その低く落ちた声に、花緒は顔を上げる。桜河の眼差しは穏やかではなく、深い後悔の色を宿していた。
彼を責めたかったわけではない――花緒は首を強く左右に振る。
「桜河様、違うんです。私、今、本当に幸せなんです。だから、皆様からいただいた恩義に報いたい。桜河様の贄姫としての務めを果たして、皆様をお守りしたいんです」
(……そうだ、弱気になっては駄目。初めてが上手くいかなかったからって、ここで諦めるわけにはいかない)
自分は贄姫として黒姫国を守る一端となると誓ったのだ。ここで諦めてしまったら、自分は今度こそ居場所を失ってしまう。そしてこの優しい人が――桜河が一身に毒気を受け続けるのだろう。
(それだけは……させられない)
まだきっと、自分にできる役目があるはず。諦めるには早すぎる!
その低く落ちた声に、花緒は顔を上げる。桜河の眼差しは穏やかではなく、深い後悔の色を宿していた。
彼を責めたかったわけではない――花緒は首を強く左右に振る。
「桜河様、違うんです。私、今、本当に幸せなんです。だから、皆様からいただいた恩義に報いたい。桜河様の贄姫としての務めを果たして、皆様をお守りしたいんです」
(……そうだ、弱気になっては駄目。初めてが上手くいかなかったからって、ここで諦めるわけにはいかない)
自分は贄姫として黒姫国を守る一端となると誓ったのだ。ここで諦めてしまったら、自分は今度こそ居場所を失ってしまう。そしてこの優しい人が――桜河が一身に毒気を受け続けるのだろう。
(それだけは……させられない)
まだきっと、自分にできる役目があるはず。諦めるには早すぎる!
