自分の未熟さを悔いる。これでは贄姫失格だ。花緒の神楽は完全に止まってしまっていた。その場に棒立ちになった花緒の目から涙が零れ落ちる。
泣いても何も解決しないのに。状況は悪くなるばかりなのに。
(私に、桜河様の贄は務まらない……!)
所詮は化け物である忌み嫌われた子。そのような自分に毒気を祓い、霊魂を救うなど救世主じみた所業は出来なかったのだ。分不相応だったのだ。
その場に膝から崩れ落ちる花緒。自分の無力さが情けない。堪らず桜河と梵天丸は花緒に駆け寄る。
「花緒、大丈夫か!」
「桜河様! 私……っ」
桜河が花緒を守るように肩に手を添える。泣き顔を主に見せる失態も構わず、花緒は桜河をすがるように見つめた。花緒を危険に晒してしまった――深い後悔を滲ませる彼の表情が花緒の胸を抉る。
贄姫の役目を果たしたい。自分の贄に選んだ桜河に応えたい。
(けれど、こうなってしまってはどうしたら良いのかわからない……!)
その時だった。花緒の脳裏に、お蓮の言葉が蘇る。
――お神楽と申しますもの、贄姫の魂と霊魂を結び繋ぐ尊き御儀式にございます。どうぞ御心を研ぎ澄まして舞いなはれ――
(――……そうだ。まずは心を落ち着けなければ。桜河様もお蓮先生も美しいとおっしゃってくださった私の舞。あの時の感覚を取り戻して)
花緒は混乱していた気持ちを鎮める。自分はもう、泉水家で怯えて暮らしていた幼い頃の自分ではない。自分には居場所がある。信じてくれる人たちがいる。自分の力で守りたい大切な人たちがいるのだ。
泣いても何も解決しないのに。状況は悪くなるばかりなのに。
(私に、桜河様の贄は務まらない……!)
所詮は化け物である忌み嫌われた子。そのような自分に毒気を祓い、霊魂を救うなど救世主じみた所業は出来なかったのだ。分不相応だったのだ。
その場に膝から崩れ落ちる花緒。自分の無力さが情けない。堪らず桜河と梵天丸は花緒に駆け寄る。
「花緒、大丈夫か!」
「桜河様! 私……っ」
桜河が花緒を守るように肩に手を添える。泣き顔を主に見せる失態も構わず、花緒は桜河をすがるように見つめた。花緒を危険に晒してしまった――深い後悔を滲ませる彼の表情が花緒の胸を抉る。
贄姫の役目を果たしたい。自分の贄に選んだ桜河に応えたい。
(けれど、こうなってしまってはどうしたら良いのかわからない……!)
その時だった。花緒の脳裏に、お蓮の言葉が蘇る。
――お神楽と申しますもの、贄姫の魂と霊魂を結び繋ぐ尊き御儀式にございます。どうぞ御心を研ぎ澄まして舞いなはれ――
(――……そうだ。まずは心を落ち着けなければ。桜河様もお蓮先生も美しいとおっしゃってくださった私の舞。あの時の感覚を取り戻して)
花緒は混乱していた気持ちを鎮める。自分はもう、泉水家で怯えて暮らしていた幼い頃の自分ではない。自分には居場所がある。信じてくれる人たちがいる。自分の力で守りたい大切な人たちがいるのだ。
