少女の記憶に気を捉われてしまった。舞に祈りを込められていなかったせいだろうか。
花緒は全身に冷や水を浴びたように震える。かろうじて舞い続けるけれども。指先が氷のように冷たくなる。動揺がこみ上げてくる。――どうしよう、どうしよう。
焦りと緊張が花緒の心を支配する。このままでは失敗してしまう。
(なんとか立て直さないと……!)
けれども、一度乱れてしまった舞の集中力を取り戻すのは難しい。
桜河の隣に座っていた与太郎が、切羽詰まった表情で桜河に何かを訴えている。
「いかん! 〝揺らぎ〟が――」
(揺らぎ……?)
響く神楽の隙間から微かに聞こえる与太郎の声。ほとんど聞こえない会話の中から、揺らぎという言葉だけがはっきりと花緒の耳に届いた。
揺らぎとは何だ。お蓮からも瓢坊からも聞いていない。だが与太郎の声色から察するに、おそらく相当にまずい状況なのだろう。
(なんとかしなければ。けれどもどうやって……!)
花緒は混乱する。そうしている間にも、毒気は辺りに満ち始める。あまりにも濃度が濃くなっては、ここにいる全員に危険が及んでしまう。
(私のせいだっ……。私が他所(よそ)に気を取られてしまったから……)
花緒は全身に冷や水を浴びたように震える。かろうじて舞い続けるけれども。指先が氷のように冷たくなる。動揺がこみ上げてくる。――どうしよう、どうしよう。
焦りと緊張が花緒の心を支配する。このままでは失敗してしまう。
(なんとか立て直さないと……!)
けれども、一度乱れてしまった舞の集中力を取り戻すのは難しい。
桜河の隣に座っていた与太郎が、切羽詰まった表情で桜河に何かを訴えている。
「いかん! 〝揺らぎ〟が――」
(揺らぎ……?)
響く神楽の隙間から微かに聞こえる与太郎の声。ほとんど聞こえない会話の中から、揺らぎという言葉だけがはっきりと花緒の耳に届いた。
揺らぎとは何だ。お蓮からも瓢坊からも聞いていない。だが与太郎の声色から察するに、おそらく相当にまずい状況なのだろう。
(なんとかしなければ。けれどもどうやって……!)
花緒は混乱する。そうしている間にも、毒気は辺りに満ち始める。あまりにも濃度が濃くなっては、ここにいる全員に危険が及んでしまう。
(私のせいだっ……。私が他所(よそ)に気を取られてしまったから……)
