花緒は、蘭之介の厳しい視線に応える。
ふたりに認めてもらうには、まだまだ道のりは長そうだ。今日の浄化の儀の結果がその第一歩となるのだろう。それでも、花緒を気にかけて見送りに出てきてくれたのだろう。ふたりの心遣いがありがたかった。
花緒は「行って参ります」と山吹と蘭之介に一礼する。しゃんと背筋を伸ばして、屋敷の玄関を後にした。
花緒は先導する梅の後ろを歩き、石畳を一歩ずつ進んでいく。苔むした灯籠や、手入れの行き届いた植え込みを眺めながら進むうちに、黒塗りの大きな門が見えてきた。そこには、いつもと変わらぬ様子で桜河が立っている。肩口には梵天丸の姿もあった。やって来た花緒に気づいた桜河が、ほんのわずかに口角を上げる。
「花緒。支度は整ったようだな」
「はい。お待たせいたしました」
「ふたりとも。さっさと行くゾ」
梵天丸がふわふわの尻尾を振る。門番が頭を下げた。重厚な門扉をゆっくりと開ける。朝露に濡れた敷石の先には、まだ人通りの少ない町並みが広がっている。
自分たちが守るべき人々――桜河と梵天丸、花緒はそれを見やる。互いに頷き合った。
「蛇門までは俺の妖力で転移できる。花緒、俺のそばに」
「はい」
ふたりに認めてもらうには、まだまだ道のりは長そうだ。今日の浄化の儀の結果がその第一歩となるのだろう。それでも、花緒を気にかけて見送りに出てきてくれたのだろう。ふたりの心遣いがありがたかった。
花緒は「行って参ります」と山吹と蘭之介に一礼する。しゃんと背筋を伸ばして、屋敷の玄関を後にした。
花緒は先導する梅の後ろを歩き、石畳を一歩ずつ進んでいく。苔むした灯籠や、手入れの行き届いた植え込みを眺めながら進むうちに、黒塗りの大きな門が見えてきた。そこには、いつもと変わらぬ様子で桜河が立っている。肩口には梵天丸の姿もあった。やって来た花緒に気づいた桜河が、ほんのわずかに口角を上げる。
「花緒。支度は整ったようだな」
「はい。お待たせいたしました」
「ふたりとも。さっさと行くゾ」
梵天丸がふわふわの尻尾を振る。門番が頭を下げた。重厚な門扉をゆっくりと開ける。朝露に濡れた敷石の先には、まだ人通りの少ない町並みが広がっている。
自分たちが守るべき人々――桜河と梵天丸、花緒はそれを見やる。互いに頷き合った。
「蛇門までは俺の妖力で転移できる。花緒、俺のそばに」
「はい」
