桜河に促され、花緒は上目遣いで顔を上げる。桜河と目が合った。彼は「それで良い」というふうに満足そうに唇の端を持ち上げる。
桜河につられて、花緒も照れ笑いを浮かべる。こうして桜河とふたりで過ごす時間は、気恥ずかしいこともあるけれど、なにより幸せだった。桜河の優しさは、自分のしまい込んでいた心を救い上げてくれる。
(……桜河様って、不思議な方だわ)
どうしてこんなに、そばにいると安心するのだろう。ただ優しいだけではない。心の奥の、誰にも触れられなかったところまで——彼は、静かに踏み込んできてくれる。
(どうしよう。この気持ちは何なのだろう……)
夕陽がゆっくりと沈んでいく。その姿を、桜河と花緒は穏やかな気持ちで見守った。花緒の結い上げた髪には、銀の簪が夕陽を受けて優しく輝いていた。
桜河につられて、花緒も照れ笑いを浮かべる。こうして桜河とふたりで過ごす時間は、気恥ずかしいこともあるけれど、なにより幸せだった。桜河の優しさは、自分のしまい込んでいた心を救い上げてくれる。
(……桜河様って、不思議な方だわ)
どうしてこんなに、そばにいると安心するのだろう。ただ優しいだけではない。心の奥の、誰にも触れられなかったところまで——彼は、静かに踏み込んできてくれる。
(どうしよう。この気持ちは何なのだろう……)
夕陽がゆっくりと沈んでいく。その姿を、桜河と花緒は穏やかな気持ちで見守った。花緒の結い上げた髪には、銀の簪が夕陽を受けて優しく輝いていた。
