そのとおりだ、と花緒はしゅんとする。ゆっくりと顔を上げると、女の目が妖しげに細められた。
(とてもお綺麗な方……)
外見は三十路を過ぎたような、けれども年齢を感じさせない妖艶な姿だ。その眼差しには悠久の時を生き抜いた深みがあった。滑らかな白い肌、それを際立たせる上品な濃紺の着物。美しくもどこか可愛らしい顔立ち。それでいて、人ならざる妖しい気配。女の不思議な魅力に花緒は息を呑む。
それを知ってか知らずか、女は赤く塗りこめられた唇を吊り上げる。
「うちはお神楽の師範、女郎蜘蛛のお蓮と申します。よろしゅうおたの申します。早速でございますけども、やらなあかん物事がぎょうさんおすえ、舞のお稽古へ入らしていただきます。まずはあんさん、こちらを」
お蓮は、手に持っていた神楽鈴を花緒に手渡した。五色の布がついた金細工の棒の先に、上から三つ、五つ、七つ――合わせて十五の小さな鈴が連なっている。巫女が神楽舞を舞う時に手に持つ道具だ。厄除けや鎮魂の儀式の際に用いられる。妖力が込められているのだろうか、泉水家での稽古で使っていたものと違い、重厚感と不思議な力を感じられる。ひと目で神聖なものだとわかる代物だった。
(重い……)
お蓮は膝の上に両手を重ね、花緒をじっと見つめる。
(とてもお綺麗な方……)
外見は三十路を過ぎたような、けれども年齢を感じさせない妖艶な姿だ。その眼差しには悠久の時を生き抜いた深みがあった。滑らかな白い肌、それを際立たせる上品な濃紺の着物。美しくもどこか可愛らしい顔立ち。それでいて、人ならざる妖しい気配。女の不思議な魅力に花緒は息を呑む。
それを知ってか知らずか、女は赤く塗りこめられた唇を吊り上げる。
「うちはお神楽の師範、女郎蜘蛛のお蓮と申します。よろしゅうおたの申します。早速でございますけども、やらなあかん物事がぎょうさんおすえ、舞のお稽古へ入らしていただきます。まずはあんさん、こちらを」
お蓮は、手に持っていた神楽鈴を花緒に手渡した。五色の布がついた金細工の棒の先に、上から三つ、五つ、七つ――合わせて十五の小さな鈴が連なっている。巫女が神楽舞を舞う時に手に持つ道具だ。厄除けや鎮魂の儀式の際に用いられる。妖力が込められているのだろうか、泉水家での稽古で使っていたものと違い、重厚感と不思議な力を感じられる。ひと目で神聖なものだとわかる代物だった。
(重い……)
お蓮は膝の上に両手を重ね、花緒をじっと見つめる。
