桜河の言葉が、花緒の胸の内を温めていく。
自分はずっと、己の居場所を探していたのかもしれない。ありのままの自分でいられる場所。――何も恐れず、心から安らげる場所を。
桜河のそばが、自分にとっていちばん安らげる場所だと気づいたのは、いつだったのだろう。自分を必要としてくれる彼に、応えたいと感じ始めた頃だったのかもしれない。その出会いが、彼に惹かれる始まりだったのかもしれない。
やがて彼の、誰よりも強くて優しい人柄を知るようになった。そして同時に、誰よりも不器用で、寂しがり屋な一面も抱えていることにも気づいた。
だから自分は、この人のそばで生きていきたいと願うようになった。この人をいちばん近い場所で笑顔にしたいと。
胸の奥にあふれる温かな想いさえあれば、これからどんな困難が訪れても桜河を守り支えていける。贄姫として彼のそばにいられる――それだけで、花緒の心は満たされていた。
花緒は顔を上げる。すると、熱を帯びた桜河の瞳が射抜くように見つめていた。
「桜河様……?」
「……おまえを、愛している」
「……っ」
桜河の明確な言葉に、花緒は息を呑んだ。
(愛して……? 桜河様が、私を……?)
自分のような未熟な人間が、彼から想われる理由などあるのだろうか。
最初の頃は、贄姫として見放されないよう必死に努力してきた。けれどいつの間にか、彼を支え、守り、共に黒姫国を導いていきたいと願うようになっていた。
(そんな私を彼が受け入れてくれたのだとしたら――これ以上の幸せなんてない)
胸の奥から喜びが込み上げ、花緒の身体は震えた。
やっと心が結ばれたような温かな感覚が広がる。桜河と共に未来を歩めるのなら、それだけで世界が光に満ちていくようだった。
感極まった花緒の手を、桜河が静かに包み込む。
「俺のすべてを懸けて、おまえを誰よりも幸せにすると誓う。だから、至らぬ俺でも……どうか共に生きてほしい。贄姫としても――ひとりの女性としても」
「……ありがとうございます、桜河様。私も、心からお慕いしております。どうか、これからも私をおそばへ置いてください」
花緒は彼の手をしっかりと握り返した。
自分はずっと、己の居場所を探していたのかもしれない。ありのままの自分でいられる場所。――何も恐れず、心から安らげる場所を。
桜河のそばが、自分にとっていちばん安らげる場所だと気づいたのは、いつだったのだろう。自分を必要としてくれる彼に、応えたいと感じ始めた頃だったのかもしれない。その出会いが、彼に惹かれる始まりだったのかもしれない。
やがて彼の、誰よりも強くて優しい人柄を知るようになった。そして同時に、誰よりも不器用で、寂しがり屋な一面も抱えていることにも気づいた。
だから自分は、この人のそばで生きていきたいと願うようになった。この人をいちばん近い場所で笑顔にしたいと。
胸の奥にあふれる温かな想いさえあれば、これからどんな困難が訪れても桜河を守り支えていける。贄姫として彼のそばにいられる――それだけで、花緒の心は満たされていた。
花緒は顔を上げる。すると、熱を帯びた桜河の瞳が射抜くように見つめていた。
「桜河様……?」
「……おまえを、愛している」
「……っ」
桜河の明確な言葉に、花緒は息を呑んだ。
(愛して……? 桜河様が、私を……?)
自分のような未熟な人間が、彼から想われる理由などあるのだろうか。
最初の頃は、贄姫として見放されないよう必死に努力してきた。けれどいつの間にか、彼を支え、守り、共に黒姫国を導いていきたいと願うようになっていた。
(そんな私を彼が受け入れてくれたのだとしたら――これ以上の幸せなんてない)
胸の奥から喜びが込み上げ、花緒の身体は震えた。
やっと心が結ばれたような温かな感覚が広がる。桜河と共に未来を歩めるのなら、それだけで世界が光に満ちていくようだった。
感極まった花緒の手を、桜河が静かに包み込む。
「俺のすべてを懸けて、おまえを誰よりも幸せにすると誓う。だから、至らぬ俺でも……どうか共に生きてほしい。贄姫としても――ひとりの女性としても」
「……ありがとうございます、桜河様。私も、心からお慕いしております。どうか、これからも私をおそばへ置いてください」
花緒は彼の手をしっかりと握り返した。
