「妖力操作に関する文献ならば、この辺りにあるだろうか」
桜河は淀みなく蔵の奥へと足を進めた。
奥の一角に積まれていた杉の長持を、腕を伸ばして手に取る。何段にも積まれているが、背の高い彼ならば難なく届くようだ。そんな些細な仕草にも彼の男性らしさを意識してしまって、花緒の胸が小さく鳴る。
(……私、どうしよう。桜河様といるとどきどきして仕方ない)
お蓮のおかげで恋心を自覚してからというもの、ちょっとしたやり取りでも、切ないほどに胸がときめいてしまう。
恋に不慣れな自分だから、余計に振り回されてしまうのかもしれない。
花緒が気持ちを持て余しながら見守る中、桜河は杉の長持を床に降ろし、両手で蓋を持ち上げた。花緒が中を覗くと、そこにはさらに桐の長持が仕舞われている。
桜河はその蓋の両側を掴み、丁寧に持ち上げた。するとようやく、漆塗りの小箱が姿を現した。ずいぶんと厳重に保管されているようだ。
桜河が隣で小箱を覗き込んでいた花緒を横目に見やる。
「開けるぞ。おまえに合う文献が見つかると良いな」
「ありがとうございます。このような貴重な書物を見せていただけて、とてもありがたいです」
桜河は淀みなく蔵の奥へと足を進めた。
奥の一角に積まれていた杉の長持を、腕を伸ばして手に取る。何段にも積まれているが、背の高い彼ならば難なく届くようだ。そんな些細な仕草にも彼の男性らしさを意識してしまって、花緒の胸が小さく鳴る。
(……私、どうしよう。桜河様といるとどきどきして仕方ない)
お蓮のおかげで恋心を自覚してからというもの、ちょっとしたやり取りでも、切ないほどに胸がときめいてしまう。
恋に不慣れな自分だから、余計に振り回されてしまうのかもしれない。
花緒が気持ちを持て余しながら見守る中、桜河は杉の長持を床に降ろし、両手で蓋を持ち上げた。花緒が中を覗くと、そこにはさらに桐の長持が仕舞われている。
桜河はその蓋の両側を掴み、丁寧に持ち上げた。するとようやく、漆塗りの小箱が姿を現した。ずいぶんと厳重に保管されているようだ。
桜河が隣で小箱を覗き込んでいた花緒を横目に見やる。
「開けるぞ。おまえに合う文献が見つかると良いな」
「ありがとうございます。このような貴重な書物を見せていただけて、とてもありがたいです」
