花緒の顔を覗き込んで、お蓮がにこやかに笑む。それは彼女のいつもの艶やかな笑みとは違い、心の柔らかい部分を見せるような素朴な笑みだった。
「せやけど桜河はん、随分雰囲気やらこなったんよ。前は刺々しい雰囲気で屋敷でも山吹はんや蘭之介はん以外ほとんど話さなかってんけどなぁ。きょうび、忙しなく方々頭下げて回ってはるのをよう見るようになったんどすえ。あんさんがここに来て苦労せんように……。桜河はんもあんさんを、ほんまに大事にしてはるんよ」
「桜河様……」
知っていたつもりだった。だけど、こうして第三者の口から改めて聞かされる桜河の気遣いに、花緒は胸がいっぱいになる。
「やから、桜河はんの隣に立つのがあんさんなら――だあれも反対しいひんよ。これからもずっと、桜河はんを支えとおくれやす」
――恋心。自分にはまだ、それがどのような気持ちなのかはっきりはわからないけれど。
それでも自分は桜河に惹かれて始めているのだと。花緒は少しずつ少しずつ、自覚を持ち始めていた。
「せやけど桜河はん、随分雰囲気やらこなったんよ。前は刺々しい雰囲気で屋敷でも山吹はんや蘭之介はん以外ほとんど話さなかってんけどなぁ。きょうび、忙しなく方々頭下げて回ってはるのをよう見るようになったんどすえ。あんさんがここに来て苦労せんように……。桜河はんもあんさんを、ほんまに大事にしてはるんよ」
「桜河様……」
知っていたつもりだった。だけど、こうして第三者の口から改めて聞かされる桜河の気遣いに、花緒は胸がいっぱいになる。
「やから、桜河はんの隣に立つのがあんさんなら――だあれも反対しいひんよ。これからもずっと、桜河はんを支えとおくれやす」
――恋心。自分にはまだ、それがどのような気持ちなのかはっきりはわからないけれど。
それでも自分は桜河に惹かれて始めているのだと。花緒は少しずつ少しずつ、自覚を持ち始めていた。
