(ひとまず桜河様に受け入れてもらえてよかった……)
屋敷の中庭にある朱塗りの橋。花緒は、そこから眺められる松の木や池を泳ぐ錦鯉に目をやっていた。
座敷での揺らぎの説明後――慣れない話ばかりで疲れただろうと桜河に気を遣われた花緒は、しばしの間、休憩時間を貰ってこうしてひとりで散策に出ていた。桜河や梵天丸、山吹や蘭之介、与太郎は、今後の花緒の修練の方法を話し合うため、まだ座敷での話し合いを続けている。
無茶な要求を押し通した自覚はある。今の状態で妖力を自在に操るのは奇蹟に等しい状況だ。この身に眠るのは最強の王、桜河の妖力。才がなければ単なる暴走に収まらないかもしれない。けれど桜河の限界が迫っている以上、悠長に構えてはいられない。今はただ、僅かな可能性を信じて進むしかないのだ。花緒は胸に誓う。
(それにしても――)
さきほど決意をした自分の頭を撫でてくれた桜河の大きな手。花緒の心臓がとくんと鳴る。
(本当に、最近の自分はどこかおかしい。気が付くと桜河様ばかり考えている気がする……)
もやもやとした正体不明の気持ちを持て余す。はあ、と花緒は溜め息をついた。
屋敷の中庭にある朱塗りの橋。花緒は、そこから眺められる松の木や池を泳ぐ錦鯉に目をやっていた。
座敷での揺らぎの説明後――慣れない話ばかりで疲れただろうと桜河に気を遣われた花緒は、しばしの間、休憩時間を貰ってこうしてひとりで散策に出ていた。桜河や梵天丸、山吹や蘭之介、与太郎は、今後の花緒の修練の方法を話し合うため、まだ座敷での話し合いを続けている。
無茶な要求を押し通した自覚はある。今の状態で妖力を自在に操るのは奇蹟に等しい状況だ。この身に眠るのは最強の王、桜河の妖力。才がなければ単なる暴走に収まらないかもしれない。けれど桜河の限界が迫っている以上、悠長に構えてはいられない。今はただ、僅かな可能性を信じて進むしかないのだ。花緒は胸に誓う。
(それにしても――)
さきほど決意をした自分の頭を撫でてくれた桜河の大きな手。花緒の心臓がとくんと鳴る。
(本当に、最近の自分はどこかおかしい。気が付くと桜河様ばかり考えている気がする……)
もやもやとした正体不明の気持ちを持て余す。はあ、と花緒は溜め息をついた。
