黒蛇様と契りの贄姫

「……花緒?」

 先ほどから言葉を発しない花緒を心配した桜河が声をかける。

 桜河に分け与えられた強力な妖力。妖力など持たなかった自分が扱うのは容易ではないだろう。けれど――。

「桜河様―――私に、妖力操作のやり方を教えて頂けませんか」

 顔を上げた花緒がはっきりと口にしたその言葉に、全員が息を呑む。鋭い緊張が走ったのがわかり、花緒の背中に汗が伝う。

 暫くの沈黙の後、桜河がゆっくりと口を開いた。

「……俺は、やめた方が良い、と考えている」

「え、な、なぜですか?」