黒蛇様と契りの贄姫

 桜河の紹介を受け、与太郎が皆に一礼する。花緒はその場で畳に指を揃える。

「与太郎様、ご挨拶が遅れて申し訳ございません。御身がご無事で何よりでございました。このたびは、私の未熟さが桜河様を始め妖狐の皆様を危険に晒してしまい、誠に申し訳ございません」

「贄姫様、どうかご心痛なさらぬように。初めての儀式であらせられたでしょうから、何か予期せぬ出来事が起きるのは当然でございます。それに、我々も説明不足の部分がございました。何卒、贄姫様に謝罪させてください」

 与太郎もまた、畳に指を付いて頭を下げる。桜河が首を横に振った。

「花緒も与太郎も顔を上げろ。此度は皆に落ち度があった。誰にも責任はない。だから皆で等しく理解を深めようと、儀式に詳しい与太郎を招集させてもらったのだ。さっそくだが与太郎、揺らぎについて説明を頼めるか?」

「賜りました」