「はい。お隣、失礼いたします」
花緒は桜河の手招きに従い、彼の脇に控えめに腰掛ける。
桜河が全員の顔を見渡す。
「――今回の浄化の儀。結果としては毒気の浄化を達成した。花緒は贄姫としての務めを立派に果たした。そこを前提として話をさせてもらいたいのだが、此度の儀式の最中に不測の事態が起きた。
花緒以外は知っているはずだが、揺らぎが起きてしまったのだ」
「揺らぎ……」
花緒は口の中で呟く。
聞き覚えのある単語だった。……そうだ、儀式の最中にお神楽が乱れてしまった時に、妖狐の頭首――与太郎が発していた言葉だ。あの時、混乱に陥っていた頭でその単語だけは鮮明に聞こえたと記憶している。きっと自分にとって大切な事柄なのだろう。桜河が腕を組む。
「……妖の王として不甲斐ないのだが、俺は揺らぎについて詳しくはない。あの儀式の場で初めて聞いたくらいなのだ。だから、この機会に与太郎を呼び、皆で理解を深めようという手筈になったのだ。花緒、おまえを守る方法にも繋がるからな」
花緒は桜河の手招きに従い、彼の脇に控えめに腰掛ける。
桜河が全員の顔を見渡す。
「――今回の浄化の儀。結果としては毒気の浄化を達成した。花緒は贄姫としての務めを立派に果たした。そこを前提として話をさせてもらいたいのだが、此度の儀式の最中に不測の事態が起きた。
花緒以外は知っているはずだが、揺らぎが起きてしまったのだ」
「揺らぎ……」
花緒は口の中で呟く。
聞き覚えのある単語だった。……そうだ、儀式の最中にお神楽が乱れてしまった時に、妖狐の頭首――与太郎が発していた言葉だ。あの時、混乱に陥っていた頭でその単語だけは鮮明に聞こえたと記憶している。きっと自分にとって大切な事柄なのだろう。桜河が腕を組む。
「……妖の王として不甲斐ないのだが、俺は揺らぎについて詳しくはない。あの儀式の場で初めて聞いたくらいなのだ。だから、この機会に与太郎を呼び、皆で理解を深めようという手筈になったのだ。花緒、おまえを守る方法にも繋がるからな」
