そのような日々の中、ときには桜河のほうが、ふとした拍子に花緒の肩にもたれかかることもあった。
――「おまえのそばは、心が静まる」。
自分の肩先でそう囁かれたときは、どれほど嬉しかっただろう。
(……この気持ちはいったい何なのだろう。そばにいるだけで満たされて、そのぶん離れるのが怖くなる)
そんな三日が過ぎた朝――窓の外では雨が上がり、常世の空に薄い陽が差していた。
花緒は、桜河の招集で座敷に向かっていた。浄化の儀で起きた数々の出来事をまとめるためだ。
自分は儀式を完遂する前に気を失ってしまった。だから記憶が断片的で、何もわからないのと変わりがなかった。
特に、何故毒気の浄化を途中で失敗してしまったのか――その理由を知りたかった。
座敷に到着した花緒は、障子の前に膝をつく。
「桜河様。花緒でございます」
「入ってくれ」
――「おまえのそばは、心が静まる」。
自分の肩先でそう囁かれたときは、どれほど嬉しかっただろう。
(……この気持ちはいったい何なのだろう。そばにいるだけで満たされて、そのぶん離れるのが怖くなる)
そんな三日が過ぎた朝――窓の外では雨が上がり、常世の空に薄い陽が差していた。
花緒は、桜河の招集で座敷に向かっていた。浄化の儀で起きた数々の出来事をまとめるためだ。
自分は儀式を完遂する前に気を失ってしまった。だから記憶が断片的で、何もわからないのと変わりがなかった。
特に、何故毒気の浄化を途中で失敗してしまったのか――その理由を知りたかった。
座敷に到着した花緒は、障子の前に膝をつく。
「桜河様。花緒でございます」
「入ってくれ」
